神奈川

主要9候補の訴え 屈指の激戦区に熱弁響く

2016年6月23日

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 二十二日公示された第二十四回参院選で、神奈川選挙区(改選数四)は十二人が立候補を届け出て、十八日間の選挙戦が幕を開けた。朝方の小雨も各候補が第一声を上げるころにはほぼ収まり、経済政策や安全保障問題などを巡る熱弁が、街に響いた。 (参院選取材班)

 立候補したのは届け出順に、共産党新人の浅賀由香氏(36)、民進党元職の真山勇一氏(72)、諸派新人の片野英司氏(45)、公明党新人の三浦信祐氏(41)、自民党現職の三原じゅん子氏(51)、諸派新人の壱岐愛子氏(30)、おおさか維新の会新人の丹羽大氏(39)、民進党現職の金子洋一氏(54)、社民党新人の森英夫氏(44)、日本のこころを大切にする党新人の清水太一氏(34)、無所属現職の中西健治氏(52)、無所属新人の佐藤政則氏(48)。

 前回改選組の二〇一三年に続き、改選数は一増えた。前回は旧みんなの党や旧日本維新の会など「第三極」への有権者動向が焦点の一つだったが、構図は様変わりし、今回は自民、民進の両党が推薦を含めてそれぞれ二人を擁立する全国屈指の激戦区となった。初日から各党幹部も県内入りするなどし、舌戦を彩った。

(届け出順)

◆浅賀由香(あさか・ゆか)氏(36)共産・新 =生

 長時間労働制限を

 浅賀氏は午前十時から、横浜市鶴見区のJR鶴見駅東口でマイクを握った。トレードマークとなった黒ぶちメガネ、白いジャケット姿で支持者らを前に、「最大の争点は、安倍政権の暴走を許していいのか、憲法まで変えられてしまってよいのかどうかだ」と第一声を放った。

 自らの仕事や育児の経験から「長時間労働の制限、同一労働同一賃金の原則を法律に書き込むのは政治にしかできない」「詰め込みでなく、どの子の発達も保障する安心安全な認可保育所を」と訴えた。「安全保障関連法は許せない。だから立候補を決意した」と話すと、演説に聞き入っていた乳幼児連れの母親たちから「ありがとう。頑張って」と声援が飛んだ。

◆真山勇一(まやま・ゆういち)氏(72)民進・元<1>

 政治を国民の手に

 真山氏は午前十時四十五分ごろから、横浜市中区のJR桜木町駅前で第一声。「国民からかけ離れてしまった政治を国民の手に取り戻したい」と声高に訴えた。

 民放テレビ局でニュースキャスターなどを務めてきた経験から「政治は常に弱い者の味方でなければいけない」と主張。「安倍内閣は国民を置き去りにする。アベノミクスで株は上がったが、私たちの暮らしは良くならない」と批判した。

 さらに安倍政権はメディアへの圧力を強めていると指摘。「国民に真実が知らされなくなるようなことが起きるかもしれない。メディアの危機は同時に国民の知る権利の危機でもある。今回の選挙で安倍政権の暴走に歯止めをかける必要がある」と力を込めた。

◆三浦信祐(みうら・のぶひろ)氏(41)公明・新 =自

 子育てをしやすく

 三浦氏は午前十一時、横浜市中区の日本大通りで「勝利まで死力を尽くして戦う」と歩道にあふれる支持者に決意表明。防衛大准教授時代に学生と接した経験から、「日本は教育費が高い。子どもを高等教育に行かせるために、貯金をしないといけない」と話した。

 解決策として、給付型奨学金や幼児教育無償化といった党公約を挙げ、「若い世代が子育てしやすい社会にする」と力説すると、聴衆は「頑張れ」などと声援と拍手を送った。

 また、「自衛隊を憲法違反だというやつには、絶対に負けるわけにはいかない。私は憲法違反と言われる学生なんか教えた記憶はない」と感極まると、支援者は「そうだ、そうだ」と合いの手で応じていた。

◆三原じゅん子(みはら・じゅんこ)氏(51)自民・現<1>

 女性が輝く社会を

 三原氏は午前十一時半から横浜市中区のJR桜木町駅前で第一声。支持者らを前に選挙戦で一億総活躍社会の実現を訴えていくとし、「女性の皆さんすべてが今まで以上に輝くことができる社会の実現、目指していこうじゃありませんか」と力強く呼び掛けた。

 「社会保障政策の充実がアベノミクス成功への近道」「社会保障政策の充実が女性活躍につながる」などと述べ、「アベノミクスの成功と社会保障の充実、女性の活躍、これは全部つながっている」と強調した。

 携帯電話を構えて三原氏を撮影する子ども連れの母親や若い女性の姿も。「女性の皆さん、そろそろ立ち上がろうじゃありませんか」と力を込めると、拍手が沸き起こった。

◆丹羽大(にわ・だい)氏(39)お維新・新

 全身全霊、国に貢献

 丹羽氏は午前十時半、支援者が営む横浜市中区の美容室前で「自分の国がどうもおかしい。いい国を目指して自分たちで行動したい」と声を響かせた。

 スペイン出身の母ペピ・フェルナンデスさん(60)と弟、妹が駆けつけ、選対本部長を務める高校時代の同級生が応援演説するアットホームな雰囲気。支援者に「税金の無駄遣いをせず、家族のため、子どものため、両親のためにしっかりと行政をつくっていきたい」と訴えた。

 三カ月前に会社を辞め、北京から帰国した。「金や権力のためではない。全身全霊で日本に貢献する。国政の壇上に押し上げてほしい」。支援者一人ひとりと握手し、選挙カーに乗り込んだ。

◆金子洋一(かねこ・よういち)氏(54)民進・現<2>=生

 生活向上の政策を

 午前九時半、横浜市中区の横浜公園で第一声を上げた金子氏。労組関係者や地方議員らを前に、安倍政権の経済政策の失敗を強調し「われわれサラリーマン、消費者一人一人の生活が良くなる政策を実現する」と支持を求めた。

 中小企業に景気回復の実感はなく、正社員になれず奨学金の返済に苦しむ若者が多いと指摘。「生活を良くするためあらゆる政策手段を使うべき。増税なんてとんでもない」と訴えた。

 改憲問題では「自民党の改憲草案はわが国の戦後七十年の歩みを根本的に変えるもの。こうした憲法改正は許さない」と強調。「官僚の言いなりの国会議員は必要ない。議員定数削減など身を切る改革に全力で取り組む」と訴えた。

◆森英夫(もり・ひでお)氏(44)社民・新

 命を守る政治に力

 森氏は正午すぎ、川崎市のJR川崎駅西口で、駅利用者や買い物客らに向かって第一声を上げた。看護師として働いてきた経験に触れ、「命から考えて行動する政治を行います」と語りかけた。

 「命を守るため、まずは戦争をしないこと。日本が大事に守り育ててきた平和主義を安倍政権が壊そうとしている」と指摘。「戦争に向かう政治を止めることができるのは私たち一人一人の声だ」と力を込めた。

 「処理することができない放射性廃棄物を未来の世代に押しつけることはできない」と原発の廃止も主張。「低所得の人に負担が重い税制をやめるべきだ。消費税の増税は延期ではなく、きっぱり中止させよう」と貧困対策を訴えた。

◆清水太一(しみず・たいち)氏(34)こころ・新

 自主的平和憲法を

 清水氏は午前十時前から横浜市西区の横浜駅西口前で第一声を放ち、「日本人による自主的な平和憲法をつくりたい」と訴えた。「日本が平和で暮らせるのは戦争放棄をうたう憲法九条があるから」とした上で「安倍首相は選挙戦では言わないでしょうが、自民党マニフェストの最後の方に憲法改正を載せていることを皆さん知ってください。米国主導の戦争に加担しかねなくなることに気付いて」と述べた。

 「民進党と共産党は票を集めるために手を組んだが、その先の政策が見えない」と他の野党も批判。百貨店に行く買い物客らが遠巻きに聞き入る中、頑張ろうコールで気勢を上げ、「頑張ります」と支援者と握手し、街頭に繰り出した。

◆中西健治(なかにし・けんじ)氏(52)無所属・現<1>=自

 経済改善こそ使命

 中西氏は午前九時半すぎ、横浜市中区の事務所前で出陣式。河野太郎国家公安委員長や浅尾慶一郎衆院議員の激励を受けた後、午前十一時すぎから同市西区の横浜駅西口で第一声を放った。

 「アベノミクスが採用されて三年半。経済政策が変わり、明るさが見えてきた」と述べ、全国の有効求人倍率や新卒の就職率、出生率が改善したと数字を挙げて紹介。「明るいきざしが見えているのに『経済政策が失敗だ』と言って元に戻したら、失われた二十年に戻ってしまう。逆回転させてはいけない」と力説し、「経済が良くなることで医療や介護、子育て環境が充実、改善していく。この循環こそが政治の使命だ」と訴え、拍手を浴びた。

◇選挙区立候補者(4−12)

浅賀由香 36 共新  党県常任委員 =生

真山勇一 72 民元<1> (元)行政監視委理事

片野英司 45 諸新  支持政党なし役員

三浦信祐 41 公新  (元)防衛大准教授 =自

三原じゅん子 51 自現<1> 厚生労働委員長 

壱岐愛子 30 諸新  幸福実現党員  

丹羽大 39 お新  (元)広告代理店社員

金子洋一 54 民現<2> 国土交通委員長 =生

森英夫 44 社新  看護師     

清水太一 34 日新  会社員     

中西健治 52 無現<1> (元)みんなの党役員 =自

佐藤政則 48 無新  (元)介護施設職員

 党派の略称は自=自民、民=民進、公=公明、共=共産、お=おおさか維新、社=社民、生=生活、日=日本のこころ、諸=諸派、無=無所属

 候補者の年齢は投票日基準

主な政党の公約

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