神奈川

あなたの争点は?

2016年6月24日

地産地消の推進を訴える椿さん=西区で

写真

 三年ごとの参院選は、さまざまな課題をあらためて考える機会だ。地域の出来事も国政につながっている。食や市民活動支援、環境、観光などに取り組む県内の有権者に「あなたの争点」を聞いた。 (志村彰太、横井武昭、吉岡潤、草間俊介)

◆地産地消を進めて

 横浜産野菜の地産地消に取り組む団体「濱(はま)の料理人」代表の椿直樹さん(48)=横浜市神奈川区=は「国、行政を挙げて地産地消を進めてほしい」と願う。

 椿さんは西区で飲食店を経営。「使う食材のほぼ全てが横浜産」だが、「価格勝負ではチェーン店に勝てない。真面目に地産地消を掲げる飲食店が損をしない仕組みが必要だ」と話す。小規模多品種生産をする農家に「適切な対価」を支払うと、どうしても価格が高くなるという。

 野菜の流通にも提言がある。「JAでの買い取り、直売所、飲食店への直接販売。それぞれの流通経路には良いところがある。農家が自由に売り先を選べるようにすれば、農家の衰退は防げるはずだ」

 「地元に良い食材があっても、消費者が十分に評価できていない」とも。「消費者が良い野菜を見極める知識と経験があれば、横浜産の野菜はもっと評価される。消費者教育が求められる」と語る。

◆ゼロ成長での政策転換を

 まちづくりや市民活動を支援する川崎市のNPO法人「ぐらす・かわさき」の事務局長、田代美香さん(50)は「経済成長をどうとらえているかに注目したい。マイナスとかゼロ成長の現実を受け入れて、それに即した政策へのシフトを加速できるか見たい」と話す。

 例えば住宅の空き家問題。「高いローンで新築住宅を買わせるのではなくて、住宅を自分なりにリノベーション(改装)して味わい深くする。市民活動としても、そうした価値観を広めたい」という。

 食品ロスの問題もそうだ。「家庭や飲食店で膨大な廃棄食品が出る。それでも新しい物を売るのではなく、賞味期限が近い物を公共の食堂で優先的に活用すればいい。経済優先でなく、価値のうまい生かし方を探さないと破綻する」

 国政には資金繰りの苦しい市民活動や中間支援団体へのサポートも期待する。「公共の政策は最大公約数的なところしかやらず、そこからあふれた課題や足りない部分をNPOが担っている。これからは社会実験のような新しいモデル事業も必要。コスト負担をしてほしい」と語る。

◆環境教育の充実望む

 2020年東京五輪の影響を懸念するのは、NPO法人「パパラギ海と自然の教室」(藤沢市)のスタッフで、ダイビングインストラクターの内田綾乃さん(28)。セーリング会場となる江の島で海岸生物の観察会を開くなど、自然保護活動に取り組む。「訪れる人が増えれば、環境汚染のリスクが高まるのでは」

 ダイビング歴6年。江の島に潜る機会も多いが、相模湾には多種多様な生物がすむことを地元の人でさえも案外と知らないという。「海中にごみが多いのを見ると悲しい」と話す。

 海外には、厳格に自然を守るルールを設けることで観光地としての価値を高めている例もある。「五輪は世界の目が集まる。環境保護の大切さを訴えるチャンスにもなり得る」といい、「目先の経済的な恩恵だけでなく、環境保護とのバランスを忘れないでほしい。知らないことが一番の問題。環境に関する教育が充実する施策があればいい」と望む。

◆観光振興に期待

 鎌倉市の鎌倉駅前で約五十年間喫茶店を経営する元市観光協会理事の高柳英麿さん(83)は「一番の関心は経済振興、特に観光振興。ただ鎌倉の場合、目先の振興策よりも、歴史的風致の維持や街並みづくりなど五十年、百年先を見すえた政策を期待したい」と語る。

 五十年前に古都保存法ができ、鎌倉では緑の保存に成功した。寺社の景観も守られることになった。「しかし同法の保護対象は個人所有の建物、土地まで及んでいない」と指摘する。

 鎌倉には戦前に建てられた保存すべき価値のある別荘建物が多々あるが、相続する際に税金を払うために土地を切り売りし、景観が変わってしまうのが残念という。「鎌倉の移り変わりを目にしてきた私の願いです。これは鎌倉だけの問題ではないでしょう」

主な政党の公約

新聞購読のご案内