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【1998年2月 渡良瀬有情】

マガン飛来

撮影・文 堀内洋助


 『渡良瀬遊水地に国の天然記念物のマガンが59羽飛来。群れで関東地方に訪れたのは約30年ぶり』とのニュースを2月4日付朝刊一面で報じたが、その後に数が増加し、調査を続ける日本野鳥の会栃木県支部の寺内為敏さん(60)は、6日に約300羽を確認した。

 マガンは広大なアシ原の休耕田や麦畑で採餌と休息をし、谷中湖の水辺で羽を休めている。朝に見られる飛翔は、壮大なショーであり、バードウォチングの野鳥愛好家も思いがけない“珍客”にニッコリ。

 現地を訪れた日本鳥学会の笹川昭雄さんは「関東地方では昭和43年ごろ行徳の干潟が干拓されてからマガンの大群がいなくなった。時々数羽の報告例はあるが、これだけ多くの飛来は極めて珍しい。2月下旬ごろまで滞在するのではないか」と話している。

 マガンはシベリアから冬鳥として渡来し、湖沼や水田で越冬する。かつては日本全国にいたが、開発による湿地の減少とともにいなくなった。昭和46年に天然記念物、平成3年にレッドデータブックの希少種に指定。

 1月25日に足利市の長島永幸さん(35)が、麦畑で26羽を見つける。報告を受けた寺内さんが観察を続けて59羽を確認。今月6日には300羽の大群になった。「双眼鏡を持つ手が思わず震えましたよ。ここは自然が豊かですから来年も飛来してくれるように大切に見守りたい」と寺内さんは話す。何故に関東地方に現れたのか。笹川さんは「日本最大の越冬地の宮城県伊豆沼から飛来したと考えられる。伊豆沼に環境の変化が起きたためでは」という。

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