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【2000年3月 渡良瀬有情】

春の朝

撮影・文 堀内洋助


 渡良瀬遊水地は春の装いを見せ始め、自然の息吹が心地好く感じられる季節を迎えている。今年は“2000年の春”という数字の響きで、見慣れた風景が何故か新鮮に思えるから不思議だ。

 春を告げる川霧がアシ原に漂い、幻想的な朝を迎える日が多くなった。暖かな日の翌朝、無風で冷え込むと雄大な川霧となる。この時期、太陽は真東の筑波山周辺から昇るので美しい光景を演出してくれる。

 夜が明けると、ヒバリやホオジロがさえずり、キジの甲高い声が「ケ−ン、ケ−ン」とアシ原に響き渡る。アオジやカシラダカは美しい夏羽に衣替え。北帰行を始めたカモ類の後に、今月下旬には東南アジアからサシバやツバメが渡来。春の渡りで南半球からシベリアに向かう旅鳥のシギ・チドリ類も立ち寄る。豊かな湿地の環境が野鳥の営みを支えているのだ。

 今月19日午前8時30分から、春の風物詩のヨシ焼きが行われる。3300ヘクタールの広大な面積が真っ赤な炎と黒煙に包まれる。40数年も続く恒例行事だが、木が焼失する被害が目立っている。雨天の場合は中止で20日から26日の間に延期される。

 4月7日から9日は、「2000熱気球ジャパン・ホンダグランプリ第一戦」の熱気球大会が遊水地の藤岡町渡良瀬運動公園で開催。競技フライトは午前6時30分と午後3時の2回。8日午後7時は“バル−ンイリュ−ジョン”の催しで、夜の闇にたくさんの気球が光と音の演出をするという。

 今年の春の朝は自然と人間の営みの素晴らしい光景を目撃できる。早起きして遊水地の空間が創造する素敵なドラマを楽しもうと思う。

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