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【2002年7月 渡良瀬有情】

梅雨の湿地

撮影・文 堀内洋助


 きょう2日は、半夏生。24節気72候の1つで、夏至から11日目にあたる。一般に田植えの終わるころとされ、梅雨も後半に入る。

 先月下旬、渡良瀬遊水地を歩いた。小雨が降る湿地にハンゲショウが咲いていた。半夏生のころに白い花を開き、葉が半分化粧することから、この名が付いたという。花の付近だけ葉の下半分が白い。不思議な植物だ。

 また、夏の湿地を彩るエゾミソハギの花が、早くも紅色を付け始めていた。緑一色のアシ原にひときわ目立つ。土手に向かうと、ネジバナの大群落。こちらは紅色が淡い小さな花だが、ラン科で、清楚な気品が美しい。

 このように梅雨の季節は、植物を求めて歩き回ることが楽しい。身軽な格好でカメラはマイクロレンズ付き1台。雨滴が付いたアシの葉やクモの巣の幾何学的な美に驚くことも多い。植物に止まるトンボやチョウなどの昆虫にも魅了される。

 谷中湖の北側の西谷中橋そばに、このほど遊水地ウオッチングタワーが完成した。高さ15・7メートルの展望台。同タワーはヨシ原浄化施設の制御棟として建設され、屋上を一般に無料開放した。

 備え付けの大型双眼鏡(20倍)で、周辺を見る。アシ原の上を数多くのツバメが飛び交っている。市街地で繁殖を終えたツバメ一家が集団でねぐらを持つようになったのだ。時々ヨシゴイの鮮やかな姿が舞う。いま繁殖中なのだろう。

 梅雨空は暑さを防いでくれ、野鳥の繁殖や植物の生育にもいい。梅雨の湿地は趣のある世界を見せてくれる。雨の日の自然を楽しみたいと思う。

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