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【2002年12月 渡良瀬有情】

アシ原に吹く風

撮影・文 堀内洋助


 冬の訪れを告げる木枯らし1号が吹いたのは先月2日だった。例年より4日早い。この日は前夜から栃木県に濃霧注意報が発令され、晩秋の風物詩である渡良瀬遊水地のアシ原に漂う川霧の撮影を予定していた。

 同遊水地に日の出前に到着。強い風が吹いていた。川霧の彼方に昇る太陽はやはり望めない。第二調節池の東の土手に向かう。ここのアシ原は今年8月、中止が決まった第二貯水池の建設現場。豊かな自然環境が守られて、安どした場所だ。

 この土手は130キロ先の富士山を見る絶好のビューポイント。今朝の富士は実に鮮明で美しい。一年に一度の光景だろうか。強風の中で、ノスリ、チュウヒが盛んに飛んでいる。目の前でチョウゲンボウがホバリングしてネズミを一撃した。残念なことに、富士山撮影中で、600ミリレンズを車に積んだままだった。双眼鏡で観察するしかなかったのが悔しい。

 昼間は、アシ原上空にすじ雲、もつれ雲、かぎ状雲、レンズ雲、断片雲、肋骨雲などが次々に現れ、まるで雲の博物館になった。木枯らし1号の影響だろう。足尾山塊の雪雲もいい。心をいやす光景にうっとりする。

 今月15日、午後1時から、藤岡町の遊水池会館(東武日光線藤岡駅下車徒歩15分)で、シンポジウム「渡良瀬遊水池のこれからPart「」(主催・渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会)が開かれ、ラムサール条約登録湿地への指定を考えようをテーマに行われる。午後4時30分まで。

 名古屋市の藤前干潟と北海道美唄市の宮島沼が先月18日、ラムサール条約に登録され、日本の同条約登録湿地は13カ所になった。日本屈指のアシ原が広がる同遊水地も登録湿地を目指し、自然の保全再生に向けスタートする。

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