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【2003年4月 渡良瀬有情】

春のアシ原

撮影・文 堀内洋助


 4月を迎えた渡良瀬遊水地は、植物が芽を出し花を付け、野鳥がさえずる春たけなわの季節。自然の営みに多くの感動を覚える。植物の成長は早く、一週間ぶりに訪れると風景の変ぼうに驚く。

 3月16日の春を告げるヨシ焼きで黒い大地になったアシ原は今月中旬、緑のじゅうたんに生まれ変わる。そのころ土手にはセイヨウカラシナの黄色の大群落。川霧の中で見る緑と黄色の鮮やかな風景は特に見事だ。

 野鳥は冬鳥と夏鳥が交代する季節になる。小鳥ではアシ原を代表するオオジュリンが去り、オオヨシキリ、コヨシキリが渡来。タカ類はチュウヒ、ハイイロチュウヒが去り、サシバが渡来する。ある朝、鳥の声が違うのに感動するのも春ならではだ。

 また日の出時刻が毎日1分ほど早くなるのが嬉しい。「朝の1枚」を撮影しても、出勤時間に余裕ができるからだ。4月1日は午前5時29分で、30日は4時51分。1カ月で38分も早まる。特に日の出前40分の薄明から東の空は豊かな色彩を帯び、壮大で心揺さぶる。その光景は一期一会をいつも感じさせてくれる。

 今月は渡良瀬川の上流の足尾と下流の遊水地で春の催しが予定されている。自然に親しみ、歴史を学ぶいい機会だ。

 27日は「足尾に緑を育てる会」(神山英昭代表)主催の植樹会。午前9時30分、大畑沢緑の砂防ゾーン駐車場集合。足尾ダムの手前にある。今年で8年目を迎え、荒涼とした足尾の山に木を植える。作家の立松和平さんは毎年参加し、昨年は約650人が集まった。シャベル、土、苗木を用意できる人は持参。

 29日は「谷中村遺跡を守る会」(針谷不二男会長)ら4団体主催の谷中村の跡をたどるフィールドワーク。午前9時30分、藤岡町の渡良瀬遊水地の池内駐車場、ポプラの下集合。谷中湖北側の同村跡にある。

 きょうから4月がスタート。今年はどんな自然の営みと出合えるか楽しみだ。春の渡良瀬の息吹は訪れる人を魅了して止まないだろう。

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