東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 渡良瀬有情 > 2003年度 > 2003年7月

ここから本文

【2003年7月 渡良瀬有情】

梅雨のアシ原

撮影・文 堀内洋助


 梅雨空の下、広大な渡良瀬遊水地に群落するアシは人の背丈を超えて約3・にもなった。アシの成長の早さには驚くばかりだ。1カ月後には褐色を帯びた花をつける。

 このアシのジャングルは、道に日陰を作ってくれる。梅雨晴れの日、朝の撮影を終えると、そこに車を止めて仮眠することが多い。朝露を付けたアシから吹く冷ややかな風が気持ちいい。コヨシキリやカッコウの歌声を聞きながら、アシにいだかれて眠ると心がいやされる思いだ。

 日陰が消えると、暑さの目覚まし時計で起こされる。ぼんやりした頭で車から降りると、アシ原の上空に、いい雲が浮かんでいたりする。梅雨明けに遭遇した日もある。豊かな自然環境はさわやかな光景を時々見せてくれる。いつか虹の現れた時に起こされてみたいと思うのだが。

 先月はササゴイとカワウの水鳥を中心に撮影した。ササゴイはアシ原の水辺に冠水するヤナギの枝で営巣していた。巣は4つで、行楽客の通る道路からよく観察できた。ヒナが4〜5羽ずつ誕生した。親は約3時間ごとに交代で餌を運ぶ。「キュウ」と鳴いて飛ぶ姿が印象的。ササゴイは東南アジアから夏鳥として渡来するサギの仲間。毎年、遊水地へ子育てに訪れるが、今回のように観察条件がいいのは珍しい。

 次に、今年もカワウの大群が、遊水地の渡良瀬川と巴波(うずま)川の合流点のヤナギ林にねぐらを作っていた。早朝に飛び立ち、周辺で魚を採り、午後に戻ってくる。魚を一網打尽にするので漁業関係者などから苦情が増加している鳥だ。

 ところで前回紹介したさわやか自然百景「渡良瀬遊水地」はNHKで6月29日朝、放送された。緑のアシ原を漂う幻想的な川霧がさわやかな映像で語られていた。植物や生き物の営みにも魅了された。ご覧になれなかった方は再放送を見ていただきたい。教育テレビは7月4日(金)午前5時10分、BS2は同日午前11時25分と6日(日)午前5時10分から14分間。

バックナンバー