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【2006年2月 渡良瀬有情】

春光

撮影・文 堀内洋助


第52回目・ワシタカ類生息調査

 日本屈指のワシタカ類の越冬地として知られる渡良瀬遊水地で5日、恒例のワシタカ類の生息調査が実施された。日本野鳥の会栃木県支部の主催で1992年から始まり今年で15回目。約40名が9カ所のポイントで午前10時から2時間半観察した。

 確認されたのはチュウヒが9羽、ノスリ7羽、トビ35羽、オオタカ2羽、チョウゲンボウ5羽。ミサゴとハヤブサが各3羽、ハイイロチュウヒとコチョウゲンボウが各1羽で9種類、計66羽。

 このようにワシタカ類が多い冬の遊水地で今月19日、ラムサール条約と日本の湿地政策を考える講演会「なぜ渡良瀬遊水池は条約登録されるべきなのか」が行われる。講師は日本湿地ネットワーク運営委員で弁護士の浅野正富さん。時間は午後1時30分から4時まで。場所は東武日光線藤岡駅から徒歩15分の栃木県藤岡町の遊水池会館。

第53回目・コハクチョウの訪れ

 渡良瀬遊水地にこの冬、コハクチョウの群れが約1カ月も滞在した。場所は同地北側の東赤麻橋付近のアシに囲まれた池。1月20日に6羽が確認され、2月上旬に飛び立ったと思われたが、17日に4羽が戻っていた。日本野鳥の会の内田孝男さんは「渡りの途中に半日から2日ほど飛来した例はあるが、長期間は大変珍しい。寒波の影響だろう」と話す。

 今月7日朝、コハクチョウを訪ねると4羽が羽を休めていた。しばらくして薄氷の上に淡雪が積もる水辺を泳ぎ始めた。水中に長い首を入れて、水草を盛んに食べる。同地を撮影して16年になるが、初めて見たコハクチョウの優美な姿だった。

 4年前の冬、コハクチョウ18羽が飛来した。翌日に出ていったが、同じ池に今年も群れが入った。この水辺が心地いいのだろうか。周辺にはワシタカ類が多く生息し、豊かな自然環境が見られる。

第54回目・春光

 渡良瀬遊水地の広大なアシ原は光の春を感じる季節を迎えている。日の光が明るくなり、アシや水面が白く輝く情景がいい。特に風が吹くと、きらめきを増す。日も長くなり、2月27日の日没は午後5時34分で、1ヶ月前より約30分も遅い。今後も毎日1分ずつ遅くなる。

 遊水地の春本番はヨシ焼きからだろう。全体の半分の広さ約1500ヘクタールを燃やす。今年は3月19日午前8時30分開始と決まった。悪天候の場合の予備日は25日または26日。当日は遊水地全域が立ち入り禁止になり、周囲の土手からの見学となる。

 ヨシ焼きが終わると、枯れ野から植物が一斉に芽生えてくる。その中に全国的に貴重な絶滅危ぐ種が49種も。  写真は昨年2月27日の早朝に撮影した投網風景。水温む水辺に映った太陽に向かって投げられた網が印象的だった。春になると水底で眠っていた魚が動き始める。

番外・飛び立つ

 雪の水辺から飛び立つコハクチョウ。白い世界が印象的だった=渡良瀬遊水地で

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