東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 渡良瀬有情 > 2006年度 > 2006年10月

ここから本文

【2006年10月 渡良瀬有情】

川霧の朝

撮影・文 堀内洋助


 東京新聞北関東版の朝刊に連載した「渡良瀬の色」が9月末で終了した。約2年間であったが、ほぼ毎週大きなスペースで写真を掲載できたことに、心からお礼を申し上げます。

 于論茶のホームページには来年3月まで、半年間の掲載が決まりました。同ホームページに連載を開始して、10年の節目です。どうか今後ともご高覧頂ければ幸いです。

 晩秋を迎えた渡良瀬遊水地の自然の魅力ベスト3を紹介したい。第1はアシ原に漂う幻想的な川霧。放射冷却で冷え込んだ晴れた無風の夜明けに現れる。日の出の30分前にはスタンバイしたい。地平線が色を染め、薄明の川霧はこの上もなく感動的だ。おすすめのポイントは遊水地西側にある北エントランス入り口付近の土手と、ほぼ中央にある渡良瀬川の新赤麻橋付近の土手。11月末まで見られる。

 第2は広大なアシ原に群生するヨシとオギの輝く花穂。遊水地の湿地面積は2000ヘクタールで日本6位だが、北海道以外では日本最大。オギの穂は白く、ヨシは淡い褐色をおびる。秋風に揺れて輝く光景は印象的だ。ススキに間違われるが、ここは湿地なのでススキは群生しない。ビューポイントは土手の上ならどこでもいいが、夕焼けに色を染める光景を狙いたいのなら、第3調節池の巴波(うずま)川の土手や第2調節池の西側の土手がいい。

 第3は越冬に訪れるワシタカ類の飛翔。チュウヒやハイイロチュウヒ、ノスリ、オオタカ、ミサゴ、チョウゲンボウ、コチョウゲンボウなどがアシ原にすむ生き物を狙って飛び回る。日本有数の猛きん類の越冬地だ。観察場所はほぼ中央にある新赤麻橋付近の通称「鷹見台」と呼ばれる土手の上がいい。毎日バードウオッチャーが訪れる。駐車スペースは、20台ほどもあり広い。車から観察も可能だ。12月に入ると、夕暮れにフクロウの仲間のコミミズクがこの近くの土手を飛び交うのが目撃される。

 このように秋から冬に向かう遊水地の素晴らしい自然の営みは心癒される。いま遊水地を国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録する運動が進められている。昨年11月ウガンダで開催された第9回ラムサール条約締約国会議において、日本は奥日光の湿原や尾瀬など20カ所を追加登録した(現在33カ所)。貴重な自然を未来の子どもらに残すためにも、遊水地のラムサール条約登録を是非実現したい。

バックナンバー