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【2007年1月 渡良瀬有情】

渡良瀬冬景色

撮影・文 堀内洋助


 渡良瀬の新年は12日、遊水地で迎えた。月日の流れは早く、渡良瀬を訪れて17年目になる。夜明け前、渡良瀬川に冬の川霧が漂っていた。幻想的な情景にいつも心癒やされる。アシ原の冬景色に点在する谷中村の屋敷林の彼方に、足尾から日光の雪山がくっきり望めた。渡良瀬川の源流である皇海山の東側に連なる黒檜岳や大平山、社山の周辺が特に白く輝く。約60キロ先の足尾の山が近くに感じる。冬ならではの雄大な光景だが、当時の谷中村の人たちは足尾製錬所の煙も見えていたに違いない。辛酸な歴史に心が痛む。

 冬晴れの谷中村遺跡を訪ねた。アシ原の中に住居跡の木立と古道が今も残る。住民の子孫である谷中村の遺跡を守る会の針谷不二男さんが延命院跡に設置した連絡ノートが12冊目になっていた。「実際来てみると歴史の重みを感じます。探鳥会で来ました」「遊水地の広さに驚きました。公害問題と住民自治の原点の場所として、後世に伝えていってほしい」「立松和平さんのー毒ーを読んで大阪から来ました。きのうは足尾製錬所と松木渓谷。きょうはここ。言葉がないです」「谷中村の人々と田中正造の怨念が伝わって来るようです」など、12年余で約2050人の思いが記されている。小高い丘の上にある雷電神社跡で渡良瀬遊水地が日本で34番目のラムサール条約登録湿地になるように祈願した。

 遊水地の冬景色を代表するワシタカ類の飛翔を求めて、アシ原を歩いた。チュウヒやハイイロチュウヒ、ノスリ、オオタカ、ハヤブサ、ミサゴ、コチョウゲンボウなど確認。人気のコミミズクは見られなかった。2月4日(日)、遊水地で恒例のワシタカ類の生息調査が実施される。日本野鳥の会栃木県支部の主催で1992年から始まり今年で16回目。午前9時・藤岡町藤岡の遊水池会館駐車場集合。東武日光線藤岡駅から徒歩15分。午後0時30分に解散。荒天の場合は10日(土)に延期される。

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