<野党に問う>れいわ・山本太郎代表インタビュー「心配するな。あなたには国がついている」

2021年9月2日 06時00分
衆院選挙を前にインタビューに答えるれいわ新選組の山本太郎代表=東京・永田町の参院議員会館で

衆院選挙を前にインタビューに答えるれいわ新選組の山本太郎代表=東京・永田町の参院議員会館で

 ―目指す社会像に込めた思いは。
 「徹底的な公助で支えるという理念だ。いま多くの人が自分の将来に不安を抱えている。なぜかと言うと、自己責任社会がどんどん増幅しているからだ。それを政治がつくりだしてしまった。日本は新型コロナが来る前から大変な状況だったということを政治家はどれくらい認識しているのか。たとえあなたが世界から見放されたとしても、国だけはあなたから手を離さないよと伝えたい」
 ―自己責任社会をどう転換するか。
 「労働環境が破壊されたりとか、税金の取り方がゆがめられたりとか、一握りの人たちが得になるような社会をつくり続けてきた。その結果、金持ちはより金持ちになり、それ以外の多くの人は貧しくなっていった。それがこの数十年の日本の姿だ。日本は、25年に及ぶデフレから脱却できていない。まずやらなければいけないのは積極財政だ」
 ―政府の新型コロナ対策をどう評価するか。
 「コロナ禍でよく分かったが、日本は感染症に対してしっかりとした対策ができていなかった。緊縮財政で保健所や、医療体制が削減されてきた。少子化や高齢化が問題と言われながらも、命と向き合って支える現場は人材が圧倒的に足らない。それは政府が金を出さないからだ。れいわ新選組では、70万人いるとされる潜在看護師をリクルートするため、医療現場に復帰する人に100万円を支払う政策を考えている」
 ―新型コロナをどう収束させるか。
 「まずは大胆に世の中の動きを制限しなくてはいけない。新型コロナを災害対策基本法の災害に指定し、『徹底補償つきステイホーム』を行う。これだけ制限のある生活が続いているなかで言いづらいが、最長3カ月で社会活動を徹底的に止める必要がある。感染者の検査、追跡、保護、医療体制の拡大を徹底的に行ってコロナをコントロールできる状況にする。
 当然、国民や事業者には経済的なインセンティブを出す。国民には1カ月当たり20万円の給付金を出す。社会保険料も免除し、携帯電話などの通信費も出す。休業要請に応じる事業者には粗利補償をする。こうした支援策に加えて、消費税を廃止し、教育費も無償化する。
 最長3カ月のステイホームには、本年度予算に加えて145兆円が必要になる。その後の経済政策は10カ年計画で考えている。現在の通常予算に加えて必要な財政規模を検討し、消費税ゼロや、10年間で官民合わせて200兆円規模の脱原発・グリーン投資などの必要な支出をする。これをデフレで疲弊した人たちの安定雇用、所得向上につなげる。
 これらは全て当面は国債で賄う。物価上昇率を注視しながら累進課税強化と合わせて行う必要があるが、所得も向上するし、インフレ率は5年平均では3%程度に収められるとみている。ハイパーインフレにはならない。日本にはそれだけ財政出動できる体力はある」
 ―次の衆院選をどう位置づけるか。
 「この地獄のような状況を終わらせる選択を野党第一党にはしっかり示してほしい。『次の次』ではダメだ。一発で決める。本気で政権を取りに行くという迫力を見せてほしい。立憲民主党の枝野幸男代表が消費税減税を時限的にやると言ったのは評価すべきことだ。これからやらなければいけないのは、有権者の選択肢を極限まで減らすことだ。ここの選挙区は譲ってほしいとか、諦めてほしいといった交通整理をやらないといけない。そのためにも強力なリーダーシップと、人々に希望を与える言葉と政策が必要だ」
 ―政権交代の実現に向けてれいわ新選組ができることは。
 「いまは参院に2議席しか持っていない。立民と比べてできることには差がある。私たちができることと言えば、野党第一党にハッパを掛けることではないか。(枝野氏が)野党をまとめられないのだったら、この国をまとめられるわけがない。私は立民を超応援している」
 ―山本代表は次期衆院選にはどこから立候補するか。
 「東京や近畿など3つの比例ブロックのうちどこから出るのがいいか考えているが、まだ決められていない。早く決めた方が良いという意見もあるが、ここまで引っ張ったならもう同じ。楽しみにしていてください」(聞き手・木谷孝洋)

れいわ新選組 2019年4月、山本太郎参院議員(当時)が設立。同年7月の参院選比例代表で得票率2%を上回り、政党要件を満たした。所属する参院議員2人は重い身体障害があり、うち1人は人工呼吸器を利用。2人の当選後に国会のバリアフリー化が進んだ。衆院の議席はない。

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