別姓、LGBT…多様性施策はどうなる? 反対明言の高市氏が政調会長 問われる新首相の本気度

2021年10月5日 06時00分
 個性と多様性を尊重する社会―。岸田文雄首相は自民党総裁選向けの自身のサイトで「国民との3つの約束」としてこう掲げた。だが新閣僚や自民党役員の顔ぶれを見て、選択的夫婦別姓制度や、LGBTなど性的少数者に関する法整備を求める人たちからは疑問や懸念の声が上がる。(奥野斐)

◆野田氏に全部押し付けた?

 「反対を明言する高市早苗氏を政調会長に据えた点で、多様性に関する施策を進める気があるか疑問」。選択的夫婦別姓制度の実現を求める市民団体の井田奈穂事務局長は話す。
 岸田首相は、制度の早期実現を目指す自民党の議員連盟の呼び掛け人に名を連ねたが、総裁選では賛否を明言しなかった。制度に賛成する野田聖子氏は入閣したものの、男女共同参画担当相のほか、こども庁や少子化対策などを兼務する。
 井田さんは「人権やジェンダー政策など国の行方を左右する課題を一括して野田さんに押しつけた印象。選択的夫婦別姓制度の議論は40年前から続く。岸田さんのリーダーシップで解決を」と求めた。

◆自民党以外は「法案」合意、衆院選の争点にも

 多様性を巡っては「LGBT理解増進法案」への姿勢も問われる。法案は5月に超党派議員連盟で与野党合意したが、自民の保守系議員の反対で国会に提出されなかった。
 それだけに、性的少数者の当事者団体「LGBT法連合会」の下平武さんは「岸田首相は、会のアンケートで法案について『党内の合意形成に努めていく』と答えたが、具体的にどうするのか。議論を後退させないで」と懸念を示す。
 法案は、自民党以外は党内で合意しており、衆院選で争点になりうる。「先の国会で自民党前で抗議デモが起きるなど、LGBT施策への有権者の注目度は高まっている」と下平さん。
 同性婚について「関心が高く、耳を傾けてくれる野田さんと牧島かれんさんの入閣に期待する」と話すのは、同性婚の実現を求める集団訴訟の代理人、寺原真希子弁護士。「ジェンダーやLGBTの課題は、女性や若い世代の方が理解し受け入れる傾向がある。岸田さんが『多様性』と言うなら、衆院選で自民党が女性や若手候補者を増やすのが大前提」とくぎを刺した。

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