「孤立防ぐ支援を」 さいたまで児童養護施設出身者らが講演

2019年6月26日 02時00分

施設を退所した後の社会とのつながりの大切さを語る山本さん(中)=さいたま市で

 虐待などの理由で児童養護施設に保護されて育った若者の自立支援を考えるトークイベント「社会的養護を知り、虐待のない社会を考える」が、さいたま市大宮区の市民会館おおみやで開かれた。施設出身者らが自らの経験を基に必要な支援について語り、参加者約百五十人が聞き入った。
 イベントは、施設出身者への運転免許取得費用の助成などを続けている一般社団法人青少年自助自立支援機構(コンパスナビ)などが主催。児童養護施設は原則十八歳未満が対象で必要に応じて二十歳未満まで入所を続けられるが、高校卒業とともに退所するケースが多い。
 登壇者の一人、山本昌子さん(26)は、生後四カ月で施設に預けられた。十八歳で退所した後は、頼れる人がおらず「これまで築き上げてきたものが一瞬で消えた」と孤独感に包まれ、死を考える苦しい時期が続いた。施設の職員に会いに行って交流できたことで、社会的なつながりを再び実感できたという。
 コンパスナビは、孤立を防ごうと、山本さんら施設出身者と入所中の子どもたちとの交流を促進している。コンパスナビの蟻田晴彦さんは「虐待の罰則に関する議論だけでなく、保護された子どものその後のケアにも目を向けてほしい」と話した。 (浅野有紀)

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