米ロの緊張継続 「攻撃しない」と言いつつ部隊撤収しないロシアに「言葉でなく行動を」と米国務長官

2022年1月22日 22時10分
親ロシア派勢力の支配地域近くで警備するウクライナ軍兵士=21日、ウクライナ東部ドネツク州(AP)

親ロシア派勢力の支配地域近くで警備するウクライナ軍兵士=21日、ウクライナ東部ドネツク州(AP)

 【ワシントン=金杉貴雄、キシニョフ(モルドバ)=小柳悠志】ロシアがウクライナ周辺に10万人規模の軍部隊を集結させている問題で、21日にジュネーブで行われた米ロ外相会談は「協議継続」しか決まらず、緊張緩和の解決策は先送りとなった。ロシアは部隊撤収を拒んでおり、ウクライナとの突発的な軍事衝突の懸念は残ったままだ。
 ロシアのラブロフ外相は会談後、「ロシアはウクライナ国民を一度も脅したことはない。攻撃する意図もない」と主張したが、米欧が求める部隊撤収には言及しなかった。
 ブリンケン米国務長官は会談後の記者会見で、ラブロフ氏の発言に対し「必要なのは言葉ではなく行動だ。意図がないことを示したいなら、軍隊を撤退させることが出発点だ」と不信感をあらわにした。
 ロシアが要求するウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟禁止などについて、米国は24日から始まる週に文書で回答する予定。
 米側はロシアによるウクライナ攻撃の可能性が高まっているとの危機感を募らせている。ロシアに対し、ウクライナに侵攻した場合には厳しい制裁を加えると強く警告しつつ、緊張緩和の道筋を模索している。
 ブリンケン氏は「2014年にもロシアはウクライナに侵攻し、クリミア半島を占領し、東部地域で紛争を引き起こした」と指摘。現在もロシアが説明とは裏腹の行動をとっていると非難した。
 その上で、ウクライナの主権と領土保全への支持をあらためて強調。「ロシア軍が国境を越えて移動すれば侵略だ。サイバー攻撃、準軍事的または非軍事の幅広い形の侵略に、米国と同盟国は素早く、厳しく、団結して対処する」と主張し、ウクライナへの軍事支援強化も表明した。
 米ニューヨーク・タイムズ紙や欧州メディアによると、ロシアは西部ボロネジ州やロストフ州などウクライナ東部周辺に部隊を配備。演習名目でベラルーシにも兵力を展開し、併合したクリミア半島の常駐部隊と合わせて、三方からウクライナに軍事圧力をかけている。

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