「赤水」地図以外の魅力 生涯たどる漫画第2弾 日立の原さん制作 勤王家らと交流多彩

2022年1月23日 07時17分

長久保赤水の漫画を手にする原康隆さん=日立市で

 江戸時代の地理学者で高萩市出身の長久保赤水(せきすい)(一七一七〜一八〇一年)の生涯をたどる漫画「道知るべ 續(ぞく) 長久保赤水の一生」が出来上がった。知名度アップに尽力する長久保赤水顕彰会が企画し、日立市の会社員原康隆さん(47)が制作を担当。二〇一七年発行の前作に新たなエピソードを加えた。原さんは「史実をなるべく忠実に尊重しつつ、分かりやすく描くことを心掛けた」と話している。(佐藤圭)
 農民に生まれた赤水は、伊能忠敬が日本初の実測日本地図を完成させた四十年以上も前に、経線と緯線を日本で初めて記した「改正日本輿(よ)地路程全図」を出版した。
 漫画はB6判、二百七十一ページ、税込み五百五十円。原さんが一年以上かけて描き上げた。水戸藩六代藩主の徳川治保(はるもり)に学問を講じる「侍講」に登用された後半生に焦点が当てられ、明治維新の先駆者とされる勤王思想家の高山彦九郎ら多彩な人たちとの交流が活写されている。前作「マンガ 長久保赤水の一生」も収められている。

「道しるべ 續 長久保赤水の一生」の一場面

 顕彰会会長の佐川春久さん(72)は「地図だけでなく、赤水が水戸学の尊王攘夷思想に与えた影響にも触れている」と評価する。
 原さんは東京都大田区生まれ。小学五年生の時に親の転勤で北茨城市へ引っ越し、その後、高萩市に移り住んだ。子どもの頃から漫画家になるのが夢だったが、雑誌に投稿しても採用されず、高校卒業後は都内で就職。一年半で退職し、高萩市でアルバイトをしていた二十三歳の時、市が赤水の漫画の作画担当者を募集しているのを知った。
 事前に用意されたシナリオがベースの漫画は市の文化誌に掲載された。原さんは「それまで赤水のことは知らなかったが、歴史を動かすほどの有能な人が地元にいたんだと驚いた」と振り返る。
 市は赤水のほか、初代水戸藩附家老(つけがろう)の中山信吉、松岡城初代城主の戸沢政盛、明治大正時代に活躍した植物学者松村任三を「高萩四英傑」として顕彰している。原さんは市などに依頼され、四英傑を漫画で紹介してきた。
 現在、戸沢政盛の新作を制作中だ。原さんは「次が最後の作品になると思う。正直言って才能のなさを感じているが、歴史漫画を通して高萩の魅力を知ってもらえればうれしい」と力を込める。
 漫画に関する問い合わせは、佐川さん=電090(1846)6849=へ。

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