「汚れ清める」と住民を公開処刑、14歳に発砲、遺体に地雷…「ロシア軍の戦争犯罪だ」と国際人権団体が報告
2022年4月4日 21時16分
ロシア軍がウクライナの北部キーウ(キエフ)州や東部の占領地で市民らを殺害した状況が明らかになりつつある。国際人権団体やウクライナ政府はロシア兵による公開処刑や女性への暴行、略奪などについて、組織的な戦争犯罪だと非難している。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は3日、住民10人からの聞き取りを基にロシア軍占領下の状況をリポートにまとめた。
キーウ州ブチャでは、ロシア軍が住民約40人を広場に集めた後、連行した5人の男性のうち1人をひざまずかせた状態で射殺。住民に向かって「われわれは汚れを清めるためにやって来た」と宣言した。
また住民が避難した地下壕に発煙弾を投げ込んで地上に逃げた人々に向けて発砲、14歳の子どもが撃たれて死んだ。東部ハリコフ州では学校の校舎に娘(5つ)ら家族と避難していた女性(31)が、ロシア兵(20)に複数回の性的暴行を受け、髪や頬をナイフで切られた。
兵士らは住民から食糧、衣類などを奪っており、HRWは「殺人や性的暴行を含む一連の暴力は戦争犯罪として調査されるべきだ」と結論づけた。
◆裸の女性遺体を燃やそうと…
ウクライナメディアによると、首都キーウ郊外で4、5人の女性が衣服を身につけない状態で死んでいるのが見つかり、遺体を燃やそうとした跡があった。
ロシア兵は住民のスマートフォンの利用履歴を調査。現地メディアのウニアン通信によると、ロシア軍の動きをウクライナ側に知らせた市民が拉致された。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、ロシア軍が占領地を離れる際、民家や殺された人々の遺体にまで地雷を仕掛けていると非難。「ロシアの部隊が展開した場所には破滅的な事故と危険が潜んでいる」と警戒を呼びかけた。
またロシア軍部隊が撤収後、同盟国ベラルーシの郵便局で、ウクライナで奪った宝石などをロシアに発送する様子も報じられた。
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