トランプ氏弾劾 告発者の証言カギに

2019年9月25日 16時00分

24日、ワシントンで、トランプ大統領の弾劾訴追に向けた下院での審議開始を表明する米民主党のペロシ下院議長=ロイター・共同

<解説> ロシア疑惑を巡るトランプ米大統領の弾劾手続きに慎重だった民主党トップのペロシ下院議長が二十四日、報道で発覚した外国首脳との「不適切な約束」を巡り、トランプ大統領に対する弾劾手続き入りに踏み切った。疑惑発覚から約一週間の決断。ロシア疑惑の時よりも党内に賛同者が多いとはいえ、ペロシ氏は大きな賭けに出たといえる。
 モラー元特別検察官が約二年間かけたロシア疑惑の捜査では、トランプ氏の司法妨害に疑いのある十事例を挙げ「大統領が罪を犯したとも結論づけないが、潔白ともしない」と、議会に調査を委ねる形を取った。
 民主党内からは弾劾を求める声が相次いだが、世論調査で国民の多数が弾劾支持ではないことや、上院で否決されれば、むしろトランプ氏を利する懸念があり、慎重な姿勢に終始した。
 ペロシ氏が今回、一転して弾劾手続きに踏み切ったのは、トランプ氏が連邦法で禁じられているにもかかわらず、外国政府の影響力を駆使し、来年の大統領選で民主党有力候補のバイデン前副大統領を追い落とそうとした、と判断したからだ。
 米メディアによると、トランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領の会話を聞いた情報当局者は、トランプ氏が「不適切な約束」をしたと監察官に内部告発した。同当局者が議会で証言すれば、内容次第ではトランプ氏を窮地に追い込むことができる。
 一方、トランプ氏はウクライナ政府の汚職とバイデン氏の次男の関連追及を緩めない構えで、政治的な泥仕合がさらに激しさを増すのは必至だ。 (ワシントン・岩田仲弘)
<米大統領の弾劾手続き> 合衆国憲法は連邦議会下院に弾劾訴追、上院に弾劾裁判の権限をそれぞれ認めている。大統領が反逆罪、収賄罪その他の重大な罪や軽い罪を犯した場合、下院は過半数の賛成で訴追でき、上院が裁判で3分の2の同意を得て有罪判決を下せば大統領は罷免される。1868年にアンドリュー・ジョンソンが閣僚罷免を巡り、1998年にはクリントン氏が不倫もみ消し疑惑での偽証などを巡り訴追されたがそれぞれ無罪。74年にはニクソン氏がウォーターゲート事件での司法妨害などを巡り、弾劾訴追される直前に辞職した。

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