海水浴場、今年はお預け 神奈川全25カ所ゼロも

2020年6月2日 07時10分

緊急事態宣言が解除されて初めての週末の5月30日、多くの人でにぎわった片瀬海岸=神奈川県藤沢市で

 国内有数の海水浴場を抱える神奈川県で一日、自治体などが今夏の開設断念を相次いで発表した。多くの海水浴客が集まると見込まれるが、県は新型コロナウイルス感染拡大防止に厳しい対策を求めているためだ。既に三市町が中止を決め、検討中の自治体も人が集まることを懸念しており、県内に二十五ある海水浴場はゼロになる可能性が高いという。
 「待ち望んでいる人には大変、心苦しく、断腸の思いだ」。花火大会で知られる由比ガ浜海水浴場のある鎌倉市の松尾崇市長はこの日の記者会見で悔しさをにじませた。
 藤沢市の組合や横須賀市、小田原市、真鶴町もこの日に中止を決定。茅ケ崎、平塚、大磯の三市町は開設中止を決めていて、特に人気の湘南地域は海水浴場が開設されないことになった。
 自治体などは中止の理由に、県が五月末に示した海水浴場での感染防止対策ガイドラインを挙げる。海水浴場を開設すれば密集・密接・密閉の状態が想定され「開設は困難」と明記。開設する場合、砂浜に一定の間隔で目印を設置するなどの対策を必ず実施し、海の家は完全予約制にすることも求めた。
 松尾市長は会見で「第二波、第三波も予想される中で、県のガイドラインに基づいて開設することは非常に難しいと判断した」と述べた。
 ただ、海水浴場を開設しない場合、ライフセーバー(監視人)の配置や救護所設置もなくなるため、海の安全をどう守るかが課題となる。
 緊急事態宣言が解除されて初の週末となった五月三十日、好天に恵まれた湘南海岸は海に入って遊ぶ姿もみられた。シーズンが到来すればさらに多くの人が訪れる可能性が高く、地元では「こんなに危ない状態で大丈夫なのか」と心配する声が上がっている。
 黒岩祐治知事は一日、報道陣に「海で泳ぐことは問題ないが、海の家は密になりがち。ガイドラインは厳しめの内容になっている。開けないと思ってしまうなら、やむを得ない」と語った。
(石原真樹、吉岡潤、丸山耀平)

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