給付金業務、「電通系」中心に回す 外注先の全容が判明

2020年6月3日 07時13分

 中小企業に支給する持続化給付金について、民間企業十一社と公益財団法人一つが、国から事業を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会を通じて業務を担っていることが分かった。うち七社は電通グループの企業で、法人の設立に関与した電通を核に業務を回している実態が鮮明となった。 (皆川剛)
 経済産業省が二日、野党合同ヒアリングに提出した資料によると、法人から再委託を受けた電通が子会社の四社のほかに、同じく子会社の電通ライブに業務を外注。電通ライブは、同じく設立に関与した人材派遣のパソナなどに給付金の支給業務を発注している。
 給付金事業七百六十九億円のうち、電通へ再委託される七百四十九億円を引いた二十億円について、経産省はうち約十七億一千万円が手数料などとして振り込みを担当するみずほ銀行に渡ると説明。想定申請件数は百五十万件だが、「振り込みエラーが発生する」などとして二百二万件に積み増した。手数料は一件七百七十円と見積もった。
 七百四十九億円の詳しい内訳も開示された。最も高額なのは全国五百カ所以上の受け付け会場での申請支援で四百五億円、審査に百五十億円、広報に五十億円−などとした。
 振込手数料をみずほ銀に流す以外に、法人が果たす役割について経産省は「全体の工程管理」などと説明。「総合的な管理・運営」を担うとする電通との業務の重複ぶりがにじんだ。
 衆院経済産業委員会は三日、野党の要求で集中審議を開く。野党は、法人の実体や再委託の不透明さを追及する。

◆電通「完了後に報告」

 電通は二日、報道各社にコメントを出した。「全国五百四十一カ所の申請サポート会場や約三百五十人体制のコールセンターの設置と運営などを受託し、(外注先を含め)九千人以上で業務を進めている」とし、「業務完了後に実績を報告し、一般社団法人サービスデザイン推進協議会と経済産業省の検査を受けた上で精算支払いを受ける。引き続き迅速に対応できるよう全力で取り組む」と説明している。
<持続化給付金事業の再委託> 経済産業省中小企業庁は、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業などに最大200万円を給付する持続化給付金で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会に769億円で事業を委託した。委託費の97%が、法人からの再委託で電通に流れることが判明。電通はさらに業務をパソナやトランスコスモスなどに外注している。法人はこの3社が中心となって2016年に設立した。4年間で14事業(計1576億円)を同省から受託し、うち9件で設立に関与した企業を中心に再委託した。残り5事業でも、事業の大半を外注した例があった。「再委託」と「外注」は契約の種類で呼び方は違うが、外部に仕事を任せるという点では同じだ。
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