家賃支援事業の入札、ライバル企業負ける 電通が下請けに圧力問題

2020年6月25日 05時50分
 国の家賃支援給付金事業をめぐり、広告大手の電通が下請けに圧力をかけた問題で、事業の委託先を決める入札にライバル会社の博報堂が参加していたことが分かった。経済産業省が24日の衆院経産委員会で明らかにした。電通側はこの事業を博報堂が受注する可能性があるとして協力しないよう下請けに求めていた。博報堂は入札に負け、事態は電通の思惑通りに進んだとも言えることから、野党側は入札が適切に行われたのか追及している。(森本智之、大島宏一郎)
 経産省などによると、電通の管理職の社員は5月23日、持続化給付金事業で下請けの関係にあるイベント会社「テー・オー・ダブリュー」(TOW)に対し、家賃支援給付金事業に協力しないよう要請。TOWは翌日、同じ内容の文書をさらに下請けに送った。
 経産省が野党議員に明らかにした入札調書などによると、入札は2社が参加。落札したリクルートは他の5社と組んで事業を担う計画だ。この5社には電通の下請けとして持続化給付金事業に関わっている企業は入っていない。この点も電通が求めた通りになった。
 国民民主党の斉木武志衆院議員は「電通が名指しで協力するなと言った博報堂が落ちた。電通は官邸や自民党の政治家と近い」などと入札の正当性に疑問を投げかけた。梶山弘志経産相は入札は適切としながらもなぜ博報堂でなくリクルートを選んだのかは「法人の権利を害する」として明らかにしなかった。
 一方、梶山氏は、この件に関し、持続化給付金事業の委託先の一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ協)への聞き取り調査を済ませたとして追加の調査を行わない方針を明らかにした。
 野党側は独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会に調査を申し入れた。

◆持続化給付金事業に5次下請けまでで63社受注

 持続化給付金事業の問題で経済産業省は24日の国会で、事業を受注する企業が5次下請けまでで少なくとも63社にのぼることを明らかにした。契約金額が1億円を超える主要な企業の総数だが、全容はなお不明だ。
 元受けのサービスデザイン推進協議会が経産省に報告した。当初の報告数は約10社だったので6倍以上に増えた。報道や野党の追及に押される形で経産省が追加報告を求めていた。

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