<新型コロナ>空港から畑に出張 日航グループ社員が農作業 成田の大幅減便で

2020年6月25日 07時14分

白砂ねぎを収穫する日本航空グループ社員たち=横芝光町で

 新型コロナウイルスの影響で航空機の発着が大幅に減っている成田空港で、地上業務を担う日本航空グループの社員が、在宅勤務日に、周辺市町の農業関連企業に出向いて農作業や食品加工の仕事に取り組んでいる。苦境にある航空会社が、農業分野への人材派遣を新たな収益源にしている。 (小沢伸介)
 横芝光町でブランドネギ「白砂ねぎ」を生産している「GREEN GIFT(グリーンギフト)」の農場では二十二日、「JALグランドサービス(JGS)」の社員三人が雨の中を畑に入り、腰をかがめながら手で一本ずつネギを掘り出す作業に汗を流した。
 貨物や手荷物の積み込み作業などを担当する高橋陸さん(27)は、新型コロナの感染拡大に伴い、現場に出る機会が少なくなり、仕事の三分の二が在宅勤務になった。五月から志願してネギの収穫作業を続けている。
 高橋さんは「苦労して育てたネギを踏まないよう、足元が悪い中で慎重に作業するのは大変。普段も貨物で野菜類を取り扱うことがあり、生産の現場に興味があった。日頃の仕事の重要性を再認識する機会になっている」と話す。
 グリーンギフトは、主力の白砂ねぎを大小約百六十カ所の農地で栽培。特に三〜七月は種まきから収穫まですべての作業が集中する上、水田の除草なども重なって多くの人手が必要だという。
 鈴木敏弘社長(35)は「今年はネギの増産を計画しているが、新型コロナによる入国制限で外国人技能実習生二人が来日できず、短期雇用にも人が集まらなくて困っていた。タイミング良く声を掛けていただき助かっている」と感謝していた。
 日航は人材の有効活用の観点から、通常の仕事が少なくなったJGSとJALスカイの社員から希望者を募って農業現場に派遣し、報酬を得ている。空港周辺で農園や農家レストランを運営するJALアグリポートの共同出資者を通じ、香取市の食品加工工場、匝瑳市の園芸会社など四社と契約し、五月一日から延べ約九百人を派遣してきた。
 派遣業務は六月末までを予定しているが、現状の成田空港では七月以降も国際線の本格的な運航再開が見込めず、主に乗り継ぎ客のための国内線も運休が続いており、人材派遣の継続に向けて調整している。

旅客がほとんど見られず閑散とした国際線出発ロビー=成田空港第2旅客ターミナルで

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