「遊泳危険」エリア、気を付けて 県内で水難事故相次ぐ 海岸全域、警戒続ける

2020年8月18日 07時31分

遊泳客に沖へと離れないよう呼び掛ける千葉海上保安部の職員ら=南房総市内で

 県内で今夏、海水浴やサーフィンを楽しむ人の水難事故が相次いでいる。新型コロナウイルスの影響で県内すべての海水浴場が不開設となり、自治体などが遊泳自粛を呼び掛けるが、七月中旬から一カ月弱で十八件の人身事故が発生。その大半は「遊泳危険」とされる海岸や磯場など、もともと海水浴場が開設されてこなかった場所に集中した。千葉海上保安部は「例年も事故の八〜九割は海水浴場以外で起きている。地道な注意喚起が必要」と警戒している。 (太田理英子)
 今月九日午後二時ごろ、館山市の見物海岸で遊泳していた東京都大田区の男性(41)が沖に流され、行方不明になった。約一時間半後に千葉海保の巡視艇などに救助されたが、その後死亡した。男性は知人ら二十三人と海岸を訪れ、遊泳前に飲酒していたという。同海岸は例年、海水浴場が開設されていない場所。このほかにも、同様の海岸や防波堤で二人が死亡している。
 もともと海水浴場だった海岸では、今夏はライフセーバーが配置されないため、県や自治体が警備員を派遣して巡回を実施している。千葉海保によると、七月十六日〜八月十日に県内で発生した人身事故十八件のうち、海水浴場が不開設となった海岸で起きた事故は二件。昨年も、同じ期間中に起きた事故十件のうち海水浴場内で起きたのは三件と少なかった。
 遊泳危険とされるエリアなど、監視の目が行き届きにくい場所で事故が続く原因として、千葉海保の担当者は「混雑を避けようと、海水浴場ではない海岸に入ってしまうケースもある」と語る。
 十七日も、千葉市美浜区の人工海岸「幕張の浜」付近で県内の高校生二人が溺れ、一人が死亡、もう一人が意識不明の重体となった。この海岸は、県が遊泳を禁止していた。
 巡回が強化されている不開設エリアの海岸でも、事故の危険と隣り合わせだ。警備員は海岸を常時監視できるわけではなく、早期の発見や救助が難しい。また、例年と違って遊泳区域がロープやブイで区切られていないため、遊泳客とマリンスポーツをする人が接触しやすくなっているという。
 千葉海保が八月十〜十六日に県内の不開設エリアを中心に巡回したところ、例年よりは海水浴客が少ないものの、場所によっては家族連れらでにぎわう海岸も。海保職員は泳いだり波打ち際で遊んだりする人に「あまり沖の方に行かないでください」「お酒を飲んだら海に入らないで」と声を掛けていた。今後も不開設エリアに限らず、全域の海岸で警戒を続けるという。担当者は「お盆が過ぎると、沖合の台風の影響で高波が発生する『土用波』も起きやすい。海辺に近づくときは十分気を付けてほしい」と呼び掛けている。

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