「Go To イート」登録で重い手数料負担 参加見送りの飲食店も

2020年10月2日 06時00分

スマホ画面に表示された「Go To イート」キャンペーンに関するホームページ

 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた飲食業界を支援する「Go To イート」が10月1日から始まった。このうち消費者が次回の食事に使えるポイントの付与について、参加を見送る飲食店が出ている。ポイントは民間の予約サイトを通じて店を予約した消費者にしか付与されず、店側が同サイトに登録するには重い手数料負担が生じるためだ。(桐山純平、森本智之、大島宏一郎)

◆昼食1人予約で50~100円、夕食では200円程度

 イート事業は▽購入金額に25%上乗せした食事券の発行▽予約サイト経由の来店客に昼食で500円、夕食で1000円分のポイント付与―の2本立て。所管する農林水産省によると、ポイント付与は15の予約サイトに委託し、このうち「ぐるなび」「食べログ」など10の大手サイトは店から手数料を徴収する。手数料は予約客1人につき昼食で50~100円、夕食は200円程度が多い。

◆薄利の飲食業に大きな負担、参加やめる店も

 飲食業界の関係者は「飲食業は薄利で、利益率が1割もあれば優良店」と強調。「客単価が3000円とすれば利益が300円あれば御の字。100円、200円の手数料負担は大きい」と漏らす。予約サイトは以前から店に手数料を求めており、東京都渋谷区の居酒屋店主は「個人店には負担が重く契約を解除した」と明かす。
 しかも、今回の事業はコロナで苦しむ飲食店救済が目的。予約サイトを利するような制度設計に、野党議員からは「予約サイトは国から委託費をもらっているのに、飲食店からも手数料を取るのは問題ではないか」と批判があがる。15サイトへの委託費は予算ベースで61億円にのぼる。
 中央区の日本料理店経営者は「薄利多売なので参加すれば手数料負担を価格に転嫁せざるを得ない」と参加を見送った。別の飲食店関係者は「参加するか否かで飲食店の格差が広がる」と予想。喫茶店やファストフードなど予約になじまない店も対象から漏れ、事業の公平性に疑問符が付く。

◆国、サイト、店… 交錯する狙いと思い

 ぐるなびの広報担当者は「(店からの)手数料は農水省の仕様書に沿って決めており、通常のサービス提供に必要で以前からいただいている」と説明。国からの委託費は特設サイトづくりなど事業に必要な費用に充てるため「二重取りではない」と述べた。
 農水省の担当者は「予約サイトを経由した方が、ポイントを早く付与できる。手数料を認めなければ大手サイトが参加を見送ると考えた」と説明。その上で「手数料を取らないサイトへの登録も検討してほしい」と話す。
 しかし、店側からは「飲食店を向いていない制度設計だ」(渋谷区の別の居酒屋)と不満があがる。手数料無料の5つの予約サイトのうち「トレタ」の広報担当者は「店の売り上げが戻っても手数料で利益が出ない状況になっては本末転倒だ」と無料にしたという。

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