日系フィリピン人 2世の苦難「早い救済を」 あすから新宿で写真展

2021年2月3日 07時07分

多くの日本人移民の子どもが学んでいたバギオの小学校。戦前のフィリピンは米国統治下だったため、後方には同国国旗もある(撮影時期不明、いずれもフィリピン日系人リーガルサポートセンター提供)

 戦前のフィリピンで暮らした日本人移民や、大平洋戦争後に苦難の日々を送った二世を記録した写真を展示する「フィリピン残留日本人の歴史と今」が四〜七日、新宿区立区民ギャラリー(西新宿二)で開かれる。フィリピン残留日本人の日本国籍回復などの支援活動をしているNPO、フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC、新宿区)が主催する。二〇一九年五月に初めて開き、今回が二回目。 (小松田健一)
 担当者は「二世の高齢化が進み、国による一刻も早い救済を望みたい。写真展を通じて、この問題をより多くの人に知ってほしい」と話している。
 戦前、フィリピンには最盛期で約三万人の日本人移民が暮らし、農業などに従事。フィリピン人女性と結婚して家庭を持った人も多かった。
 太平洋戦争の日本敗戦で一世は強制送還された一方、二世の大半はフィリピン人の母とともに現地にとどまった。当時は日本、フィリピン両国の国籍法とも父系主義で、二世は日本国籍を持っていたが、多くは戦後の反日感情で差別や報復を恐れて出生証明書などを処分して無国籍状態になり、今も本人とその家族の多くが貧困層に属している。
 会場には戦前の日本人移民の暮らしや、戦後の苦難と肉親捜しの様子、オランダ在住の写真家、奥山美由紀さんが一八年にフィリピンを訪れて二世の今を撮影した写真など百点余りを展示する。昨年公開されたドキュメンタリー映画「日本人の忘れもの」の短縮版と、一九八一年に日本テレビが制作した、戦後に帰国した父と残留二世の再会を取材したドキュメンタリー番組「再会・父と娘は国境を越えて」の上映もある。
 入場無料。開館時間は午前十時〜午後五時(七日は午後一時)。
 問い合わせはPNLSC=電03(3355)8861、メールinfo@pnlsc.com=へ。

フィリピン北部・ルソン島のバギオで道路建設に従事する日本人移民ら。移民が始まって間もない1903〜05年ごろとみられる


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