「実践ビジネス英語」34年の歴史に幕 iPS細胞研究の山中教授もリスナー「ジョギングの友だった」

2021年2月11日 22時23分
 前身の番組を含め34年間続くNHKラジオ語学番組「実践ビジネス英語」が3月末で終了する。NHKが10日に発表した。講師を33年間務めた杉田敏さん(76)は「夢の実現には地に足をつけた地道な日々の努力が必要。努力を続けられることをお祈りしています」とリスナーにエールを送った。

◆3月末まで

杉田敏さん

 番組の特徴は、米国の企業を舞台にビジネスパーソンが交わす会話からなる寸劇「ビニェット」。1987年4月の番組開始時は現役の外資系PR会社社長だった杉田さんが、海外の時事ニュースや最新ビジネス事情、自身の経験や友人との会話をヒントに、テーマ選びや台本づくりを1人でこなしてきた。
 開始時の番組名は「やさしいビジネス英語」だったが、NHKの英語番組で難易度が最も高く「ちっともやさしくない」と言われてきた。それでも、世界の最新事情を盛り込んだ、機知に富んだ内容に、大学生から50代のビジネスパーソンを中心に熱い支持を集め、ノーベル賞を受賞した山中伸弥京都大教授やニュースキャスター有働由美子さんら著名人のファンも多かった。
 山中教授は米国留学を目指した大学院生時代に番組で英語を学んだ。「番組のおかげで留学を実現し、iPS細胞につながる研究を始めることができた。帰国後もジョギングの友となった。終了は本当に寂しい」と、杉田さんにメッセージを寄せたという。

◆講師の杉田さんがエール

 杉田さんは今後、新たな語学講座を始める。テキストはNHK出版が年4回刊行する「杉田敏の現代ビジネス英語」(3月13日発売予定)で、音声データをダウンロードして学ぶことができる。
 番組終了に当たって杉田さんがリスナーに送る言葉は「The best way to make your dreams come true is to wake up.(夢を実現する一番いい方法は、目を覚ますことである)」。フランスの詩人ポール・バレリーの言葉という。(石原真樹)

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