相次ぐ法案ミス問題、再発防止に「作成文書の絞り込みを」 元厚労官僚が指摘

2021年4月4日 06時00分
 政府提出法案に誤記などが相次いだ問題を巡り、加藤勝信官房長官は2日の衆院議院運営委員会で陳謝し、チェック体制を強化する考えを示した。同様のミスは過去にもあり、再発防止策の効果は少なかった。厚生労働省の元官僚で「ブラック霞が関」の著書がある千正せんしょう康裕さん(45)は、官僚が法案提出の際に作成する文書の大半をなくすべきだと提言する。
 国会に提出される法案は(1)条文(案文)(2)理由(3)要綱(4)新旧対照表(5)参照条文―の通称「5点セット」。法的効力を持つのは条文だけ。残りは参考資料という位置付けだ。作成は慣習で、義務付ける根拠規定はない。
 今回見つかったミスは法案・条約24本の計134カ所に及ぶが、9割は参考資料で、誤字や脱字、段落のずれなどがほとんどだ。条文のミスは4本の計12カ所にとどまる。
 厚労省在職中に8本の法案作成に携わった千正さんは、ミスを防ぐ抜本的な対策として改正法案では「プログラミング言語のような」難解な条文をやめ、改正前後を比べた新旧対照表を正式な法案本体として提出すれば、点検が容易でミスが減り「議員も国民も理解できる」効果が期待できると言う。他の資料の作成はやめることを提案する。
 加藤官房長官は1日の参院議運委で参考資料の誤りも「避けなければならない」と述べ、チェック体制を強化する考えを示した。
 千正さんは、参考資料のミスを防ごうとすれば「長時間労働の官僚がますます疲弊する。残業代が増え税金の無駄遣いにもなる」と懸念する。自身の経験から「議員がよく見るのは新旧対照表と(5点セットとは別の)内容を図解したパワーポイントの資料」と指摘し、資料を絞り込む必要性を訴える。(川田篤志)

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