<コロナと生きる@いばらき>マスク越し 緊張と笑顔 つくばの病院で写真展 最前線の奮闘、NPOが企画し昨夏撮影 

2021年4月8日 07時32分

写真展「病院のまなざし」から(筑波メディカルセンター提供)

 新型コロナウイルス対策の最前線で奮闘する病院関係者をとらえた写真展が、筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保、軸屋智昭病院長)で開かれている。医療現場の緊迫感、マスク越しから患者に注がれる優しい表情、仕事から解放された一瞬にフォーカスしている。 (林容史)
 写真展のタイトルは「病院のまなざし」。病院1階の通称「メディカルストリート」の壁に71点が展示されている。撮影は昨年8月の5日間。写真展を企画したNPO法人「チア・アート」(つくば市)から依頼を受けた女性フォトグラファー2人が担当し、約1400点の中からえりすぐった。

写真展を企画した岩田祐佳梨さん(右)と水畑日南子さん=つくば市の筑波メディカルセンター病院で

 手術器具を準備する看護師、PCR検査で検体を臨床検査技師に届ける看護師、患者とリハビリに取り組む理学療法士…。コロナ禍の収束が見通せない中、病院スタッフはマスクとフェースシールド着用で懸命に患者らと向き合う。管理栄養士や清掃業者らにも光を当てた。
 チア・アートは、無機質で冷たいイメージの医療・福祉の現場をアートやデザインの力で居心地のいい空間に変えようと、理事長で筑波大の芸術系非常勤研究員の岩田祐佳梨さん(33)を中心に2017年から活動している。同病院では、エントランスに木材の家具を取り入れたり、食事がおいしく見えるトレーを開発したりしてきた。
 写真展の企画も「患者や家族の不安を少しでも和らげたい」との思いから生まれた。マスクで顔が半分隠れたままでは、互いに表情を読み取りにくい。スタッフは「感染しない、感染させない」との意識が強く、院内はピリピリとした雰囲気になりがちだ。岩田さんは「写真を通じて、いろいろな人たちに守られていることが分かれば、患者や家族の安心感につながる」と強調する。
 アートコーディネーターとして携わった筑波大大学院生の水畑日南子さん(23)は「チーム一丸でコロナに立ち向かい、頑張っている医療従事者に誇りを感じてほしい」と願う。

写真展「病院のまなざし」から(筑波メディカルセンター提供)

 現在、感染防止のために患者との面会を禁止しており、院内は一般に公開していない。鑑賞した患者の反応は「笑顔を見てほっとした」「こんなにたくさんの人たちに守られているんだ」と上々だ。
 写真展は30日まで。会場の様子をユーチューブのチャンネル「筑波メディカルセンター」で配信している。同広報課の遠藤友宏さん(34)は「今、病院は逼迫(ひっぱく)、疲弊しているイメージがあるが、緊張の中にも笑顔がある。外部の業者も含め、職種の垣根を越えた相互理解につながれば」と期待を寄せる。

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