和スイーツがロシアを席巻 大判焼きやスフレケーキ店がお目見え ロシア伝統のお菓子と共通点

2021年4月14日 12時00分
 ロシアで日本発祥のスイーツが急速に普及し、大手スーパーなどに販路を広げている。日本料理といえば、すしやラーメンが中心だったが、昨年から大判焼きやスフレチーズケーキ店が相次ぎお目見え。流行の背景にスラブ系民族の習俗を指摘する声もある。 (モスクワ・小柳悠志)

◆1日200個売り上げも

モスクワで兄とともにロシアで初の大判焼き店を始めたエドガルさん=小柳悠志撮影

 モスクワの商業施設で昨年2月に誕生したのは大判焼き専門店「ヤキ」。旧ソ連アルメニア出身のエドワルド・スワリャンさん(34)が韓国を旅行中に大判焼きに魅了され、調理器を台湾から取り寄せて開業した。
 ロシア国営メディア「スプートニク」によると大判焼き店はロシアで初めて。美食ブロガーらが会員制交流サイト(SNS)に投稿して有名になり、1日に200個以上売れる日もある。エドワルドさんと店を営む弟エドガルさん(31)は「日本人から『日本の大判焼きに劣らない味』と声を掛けられる」と手応え。2号店も計画中という。

◆共通点は「粉もの」

 ロシアで人気を集める和スイーツは、大判焼きやホットケーキなど、いずれも小麦粉が原料で丸形という共通点がある。

ロシアの春祭りで食べるクレープ「ブリヌイ」=モスクワ通信社

 この点、ロシアで古くから食べられてきたクレープ「ブリヌイ」との関連性を指摘するのが、モスクワの実業家ビクトル・フョドロフさん(31)。ブリヌイはキリスト教を受容する前の多神教の時代、スラブ系民族の間で太陽の象徴と見なされ、春祭りで食べる習わしが続いてきた。

◆カフェで日本風ホットケーキも

 ビクトルさんは日本料理店で働いていた頃、ロシア人がブリヌイに近い菓子を好むことに注目。日本の知人を通じて、スフレチーズケーキの作り方を研究した。昨年8月にスフレケーキを売り出したところ、ヒット商品に。最大手スーパーの1つから声が掛かり、3月から別のチーズケーキの納入を始めた。
 ロシアの料理専門家マクシム・クリショフさん(32)は「スフレケーキはロシアでトレンドになりそう」と分析する。日本風のホットケーキを提供するカフェも都市部で増えている。ロシア政府統計によると1995年に65歳に満たなかった国民の平均寿命は、2019年には73歳まで伸びた。ロシア人の間では健康志向が高まっており、「ヘルシー」とのイメージがある日本食材を取り扱うスーパーも増えた。

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