【独自】事務局長「選管は数えるだけ」と不正持ちかけか…愛知県知事リコール、取材に「あくまで一般論」 

2021年4月17日 05時00分
田中孝博事務局長

田中孝博事務局長

 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る不正署名事件で、リコール活動団体の田中孝博事務局長が「リコールが成立しなければ署名用紙はただの紙切れ」などと言って周囲に不正を持ち掛けていたことが分かった。事務局幹部だった山田豪・元常滑市議が本紙の単独インタビューで明らかにした。本来、法定数に届かなければ選管は署名の審査をしないため、不正が発覚しないと見越していたとみられる。
 山田氏の説明によると、「紙切れ」発言があったのは署名集め終了翌日の昨年10月26日。名古屋市東区のリコール活動団体事務所で、山田氏は田中氏から押印のない大量の署名に指印を押す不正を持ち掛けられ、拒否しようとしたが、田中氏は「リコールが成立しなければ署名用紙自体はただの紙切れだ。選管は数を数えるだけ。達成しなければ全部署名用紙が戻ってくる。心配はいらない」と説得してきたという。
 愛知県選管によると、本来は署名数が解職の賛否を問う住民投票の実施に必要な法定数に届かない限り、選管は審査をせず、リコール活動団体側に署名簿を返却する。今回のリコールでは署名簿提出直後に不正を疑う声が多数上がったため、各選管が異例の調査をし、不正が発覚した経緯がある。
 山田氏によると、田中氏の指示で昨年10月末~11月上旬の2日間、名古屋市内の公共施設で同一筆跡の大量の署名簿約500枚に自ら指印を押した。山田氏は「自分が指印を押した署名は佐賀市内でバイトが偽造した署名だと思う」と話している。
 田中氏は本紙の取材に「山田氏らにそういう発言を日頃から言っていたのは事実だが、あくまで一般論として言っていた。不正を勧める意図はなかった」と話している。一方、関係者によると、田中氏は周囲に「リコールの成立に必要な署名数に届かなくても、ある程度の数はそろえないといけない」と話していたという。
 本紙の取材では昨年10月20~31日、名古屋市内の広告関連会社が佐賀市内で多数のアルバイトを動員し、署名を偽造させていた疑いがある。同社宛ての発注書には田中事務局長の名前と押印があった。愛知県警は地方自治法違反(署名偽造)の疑いで捜査し、山田氏からも任意で事情を聴いている。

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