中国、CO2削減目標前倒し応じず 欧米や日本と一線 気候変動サミット

2021年4月23日 20時08分
 【北京=中沢穣】オンライン形式で22、23日に開かれた米国主催の気候変動サミットで、中国の習近平国家主席は米国が求めていた二酸化炭素(CO2)排出削減の目標前倒しに応じなかった。削減目標の上方修正を次々と打ち出した日本や欧米とは一線を画した形だ。背景には気候変動対策が米国ペースで進むことへの警戒感のほか、石炭に依存する現状の脱却が容易ではない事情もある。

22日、オンライン形式で開かれた気候変動サミットに出席したバイデン米大統領(左端)。右の画面は中国の習近平国家主席(共同)

 「(先進国と発展途上国で)共同だが差別化された責任の原則を堅持するべきだ。先進国はより大きな野心と行動を示し、発展途上国に資金や技術などを適切に支援するべきだ」

◆途上国の代弁者演出

 習氏はサミットでの演説で、気候変動問題で定番となっている「先進国対発展途上国」という対立軸を持ち出した。途上国の代弁者として振る舞うことで、米国などの圧力をかわす意図が透ける。習氏は、巨大経済圏構想「一帯一路」を旗印に、中国から途上国への援助「南南協力」を積極的に進める方針も示した。
 中国にとっては、米国のトランプ前政権が温暖化対策の枠組み「パリ協定」から脱退して気候変動問題に背を向けていた間、この問題で国際社会をリードしてきた自負もある。馬朝旭外務次官は22日、米国を念頭に「気候変動への対応で、中国が(会議を)欠席したことはない」と胸を張った。
 一方、習氏は2030年までにCO2排出量を減少に転じ、60年までに排出量を実質ゼロにする従来の目標を繰り返すにとどめた。習氏は「CO2排出量がピークに達してから実質ゼロまでの時間は、先進国よりもはるかに短い。中国は苦しい努力を払う」とすでに高いハードルを掲げていることを強調した。
 石炭火力発電所の増設を続けているとの批判にも、習氏は25年までに「石炭の消費増加を厳しくコントロール」し、30年までの5年間で「徐々に減少させる」との方針を示した。しかし、中国政府高官は22日に「経済発展には安定した電力供給が欠かせない」と石炭依存からの脱却が容易でないことを認めた。

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