八王子アパート階段、設計と異なる木造で施工 防水加工不十分で腐食、崩落か

2021年4月24日 06時00分
 東京都八王子市南新町のアパートで外階段の一部が崩落し、住民の女性が死亡した事故で、階段が当初の設計と異なる形で施工されていたことが、関係者などへの取材で分かった。設計時の鉄骨ではなく、木造だった。防水加工が不十分だったことなどから、つなぎ目などの木材が複数箇所腐食していたとみられ、警視庁捜査一課は、階段崩落との因果関係を調べている。
 関係者らによると、アパートは木造3階建てで2013年に完工。当初の設計では、建物と外階段を覆う外壁を木造で仕上げた後、吹き抜け構造になった残りの空間に鉄骨の階段を施工する計画だった。だが、実際は踊り場などが木材などで造られ、そこに鉄製階段が取り付けられていた。
 捜査関係者によると、鉄製階段はL字形の金属部品と溶接され、建物の木材部分には1カ所3本のビスで固定されていた。階段のつなぎ目や踊り場内部の木材は腐食していたという。
 事故は17日午後2時すぎ、アパート3階に住む無職大手里美さん(58)が階段を上っていた際、踊り場と2階通路をつなぐ鉄製階段(3段)が崩落し、外傷性脳挫傷により搬送先の病院で死亡した。事故の2時間前には、階段のつなぎ目付近の化粧板が落下し、それを発見した住民女性が管理会社に連絡していた。

◆設計者「頼まれても木造にはしない」

階段が崩れて住民の女性が転落死したアパート=22日、東京都八王子市で

 設計を担当した建築士事務所の男性は「私は鉄骨で設計しており、木造で施工されたことは知らなかった」と話す。「雨などに弱い木造の階段は腐食のリスクがあり、当時は全国的に施工の実績もほとんどなかったため、頼まれても木造の設計はしなかったはずだ」と説明する。

◆施工者「被害者に申し訳ない」

 アパートの管理会社(立川市)は本紙の電話取材に「当日、住民から『階段下に板が落ちているので対応して』と言われ、社員が行ったのは事実。誠意を持って原因追及と再発防止に対応したい」とコメント。アパートを施工した「則武地所」(相模原市)の社長は「管理会社から連絡があれば、メンテナンスしたのに、悔やまれる。被害者に対して申し訳なく、できる限りのことをしたい」と話した。

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