辺野古に沖縄戦の遺骨残る土砂使う計画 憤る遺骨収集ボランティア 「非人道的。本土の人も知ってほしい」

2021年4月26日 06時00分
 米軍普天間ふてんま飛行場(沖縄県宜野湾ぎのわん市)の移設に伴う名護市辺野古へのこの新基地建設で、先の大戦の沖縄戦で犠牲となった人たちの遺骨が残る本島南部の土砂を埋め立てに使う計画が持ち上がっている。遺骨収集に取り組むボランティア団体の具志堅 ぐしけん隆松たかまつ代表(67)=那覇市=が本紙の取材に、「沖縄でこんな非人道的なことが行われようとしていることを、本土の人も知ってほしい」と訴えた。

本紙インタビューで沖縄本島南部の土砂利用計画反対を訴える具志堅隆松さん=東京・永田町の衆院第1議員会館で


◆「植民地のやり方」

 防衛省は昨年4月、玉城たまきデニー知事に承認申請した設計変更で採取地に「本島南部」を追加した。これを受け、地元の業者が県に対して、沖縄戦犠牲者の遺骨が集められた「魂魄こんぱくの塔」(糸満市)の隣接地で採石する届け出を申請した。
 具志堅さんは「国が新基地建設で土砂の需要があるとちらつかせたため、供給しようとする業者が出てきた。利益にあずかる者とそうでない者を作り、県民を対立させる植民地のやり方だ」と指摘。40年近く遺骨を収集してきた経験から「子どもの指先の骨はボールペンの芯ほどしかなく、業者が見分けるのは無理だ」と断言し、採掘時に保全されないことを懸念する。
 今年3月には計画への抗議として、沖縄県庁前で6日間のハンガーストライキ(ハンスト)を断行。応援の声が相次ぎ、「分断の中でも、多くの人が土砂採取に反対していると感じた」と話す。
 日ごろは新基地建設を巡って対立する県議会の各会派も、この問題では同一歩調を取る。今月15日には、遺骨交じりの土砂の使用停止を求める菅義偉首相ら宛ての意見書を全会一致で可決。首相は21日の参院本会議で「土砂を県内、県外どちらから調達するかは確定していない。(沖縄県議会の)意見書で述べられた声は重要で、こうしたことを踏まえ防衛省が判断する」と答弁した。

◆再度のハンストも

 2016年に成立した厚生労働省所管の戦没者遺骨収集推進法は、戦没者の遺骨収集を「国の責務」と明記。24年度までを集中実施期間と定めており、この対象には沖縄戦の犠牲者も含まれる。具志堅さんは「国家事業として遺族に骨を返そうとしているのに」と防衛省の姿勢を批判。再度のハンストなどで計画見直しを迫る活動を続ける考えを示した。(山口哲人)

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