池袋暴走事故 飯塚被告「アクセルペダルが床に張り付いて見えた」【被告人質問・詳報】

2021年4月27日 19時06分

14:40 「事実と違い…1つ、2つではない」

 検察側の質問に変わった。検察官は冒頭、どんなときに車に乗っていたのかを質問。飯塚被告は学会などに行く際に乗ったことを説明した。その後、レストランに行く機会もあったのか再質問があり「え」と言った後に7秒ほど沈黙した後、「ま、時々です。はい」と小さめの声で答えた。

任意の事情聴取を終え警視庁目白署を出る旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長 (2019年5月撮影)

 「意図せず起こした事故で、自分のしたことを説明するのは、難しくないか」と質問すると、飯塚被告は8秒ほど沈黙した後に「はっきり覚えていることもありますので無理とは思いません」と小さいながらもはっきりとした口調で話した。
 検察官は、飯塚被告の記憶に基づく証言とドライブレコーダーの記録に食い違いが多いと指摘。飯塚被告は、亡くなった松永さん親子について「乳母車を押していた」と述べたが、実際は二人とも自転車に乗っていた。カーブの途中で左、右、左と3回車線変更をしたことを覚えているかと問われると「(記憶は)ありません」と話した。
 検察官が「事故当時の記憶に関して、事実と違う点がある。それも一つや二つではないですよね」と問うと「はい」と弱々しく答えた。
 弁護側の質問で「アクセルペダルを確認したときに床に張り付いて見えた」と話したことについて、飯塚被告が「右足はブレーキペダルの上にあったのでそれをわざわざ上げてアクセルペダルを見た」と説明。検察官に「右足は持ち上げただけ?」と聞かれると「はい」と答えた。
 検察官が「警察の検証によれば、もう一つ動きをしないと見えないのではありませんか」と指摘すると、飯塚被告は「覚えていません」。さらに「その足を少し左に寄せないと見えなかったのではないですか」と問われると「ああ、まあ、そうかもしれません」と話した。

14:45 車使わぬ生活「考えなかった」

 検察側は、飯塚被告が運転中にアクセルペダルを見たという主張をさらに追及した。
 飯塚被告は、警察の調べで、アクセルペダルの実物を見せられ、「ペダルを踏んでいた状態とそうでない状態があまり違わなかった」と説明したが、「アクセルペダルが見えた記憶は事実です。自然に見える位置に視線を投げたと思う」と自分の記憶の正確さを訴えた。
 アクセルとブレーキを踏み間違えたのではないか。この点について、飯塚被告も「踏み間違いをしていないとはいえない」と警察に答えていたことを検察側から聞かれると、「私としては踏み間違えた記憶は一切ありません」と強調した。
 飯塚被告は、高齢になっても「認知機能は全く問題なく、運動能力は運転については問題ないと思った」と主張。
 検察側から80歳を超えたあたりから、車に傷をつけたり、バンパーの修理交換をすることあったと問われると、「車の使用頻度が上がってきた」と理由を答えた。
 検察側から、歩くためにつえを使うことや、つえの本数が1本から2本に増えていたことを指摘されると、「運動能力の低下は実感していない。2本にしたら、そのほうが歩けたからであります」と返した。
 車を使わない生活は「考えなかった」といい、タクシーは「時間に間に合わないことが往々にあった」として使い勝手が悪いと答えた。
 さらに、自らの運転能力の低下が周りに及ぼすリスクについて、どんなことを考えていたのかを問われ、「年相応で能力が低下するのは客観的に見れば分かりますので、分かったときには注意しなきゃいけないと思います。しかし、そうでなければ、一般的なことは言えないと思います」と答えた。車が便利だから免許返納を先延ばししていたように聞こえると畳み掛けられ、少し沈黙した後に「先延ばしをしていたという意識はありません」と述べた。

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