インドで感染爆発、三重変異株も 世界中への波及に各国懸念

2021年4月27日 19時20分

23日、インド・ウッタルプラデシュ州で酸素供給を受ける新型コロナウイルスの患者=アナトリア通信提供、ゲッティ・共同

 【バンコク=岩崎健太朗、ロンドン=藤沢有哉】新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないインドをめぐり、欧米各国などが支援に乗り出した。病院の医療用酸素や病床が不足している上に、1つのウイルスに複数の変異が起きる事例も報告されており、このままでは世界中に波及しかねないためだ。
 インドは22日に、米国が1月に記録した1日当たりの新規感染者数を超え世界最多を更新。インド政府は26日に新規感染者数が35万人を超えたと発表。首都ニューデリーなどで都市封鎖を延長しているが、十分な治療を受けられずに死亡するケースが相次いでおり、地元メディアは「医療崩壊の一歩前で、患者は酸素と病床を探している」などと報じている。
 1つのウイルスに2つの変異が起きる「二重変異株」に続き、感染者の多い西部マハラシュトラ州や東部の西ベンガル州などでは「三重変異株」の発生も報告された。政府は感染拡大との関連を認めていないが、専門家は「二重変異株への対応の遅れが急増につながった可能性があり、ワクチンを改良し続ける必要がある」と指摘する。
 インドは当初、自国の製造能力を生かして各国にワクチンを供給し、影響力を高める狙いがあった。しかしそのもくろみは崩れ、反対に各国から支援要請が相次いでいる。

25日、インドで新型コロナウイルスの犠牲者の葬儀で悲嘆する遺族=AP・共同

 英政府は25日、酸素濃縮器や人工呼吸器など600台以上を送ると発表し、空輸を開始。ラーブ外相は「われわれ全員が安全になるまで、誰も安全にならない」と述べ、世界各国に波及する前に抑制する必要性を強調した。26日にはバイデン米大統領がモディ首相と電話協議し、ワクチン原材料や治療薬などの緊急支援を約束。カシミール地方の領有権で対立する隣国パキスタンも、医療機器などの提供を申し出た。
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は同日「悲痛な状況を超えており、機器や物資、専門家の派遣などできる限りのことを続ける」と語った。

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