父子の夢の結晶「長沢ロック」が人気 茨城・笠間の採掘場跡でロッククライミング場「趣味通じ世代間交流の場に」

2021年4月28日 07時47分

多くのクライミング愛好者から注目される「長沢ROCK」

 新型コロナウイルス禍でも「密」になりにくいアウトドアスポーツのブームが続く中、笠間市上郷長沢地区のロッククライミング場「長沢ROCK(ロック)」が愛好者の人気を呼んでいる。採掘場跡に一から造り上げたのは同市下郷の藤枝要二さん(70)と国博さん(35)の親子。土木作業が得意な父とクライミング名手の子がタッグを組み、昨年10月にオープンした。2人は「同じ趣味を通じて交流できる場になればいい」と話している。 (出来田敬司)

◆初級~中級者向け 駐車場・トイレ完備

 やや茶色を帯びた岩場が眼前にそそり立つ。高さ約25メートル、幅150メートルの長沢ロックは、林と畑に囲まれた山間地にある。数十年ほど前までマンガン鉱が採掘されていたとされ、切り立った泥岩や花こう岩などがクライミングに適している。
 クライミングのルートは104コースで「主に初級、中級者向け」(国博さん)。駐車場や休憩室、トイレなども完備されている。JR常磐線岩間駅や北関東自動車道友部インターチェンジからも比較的近く、都内からアクセスもしやすいのが利点だ。
 クライミング場の整備は、国博さんの夢だった。岩登りの魅力にはまり、埼玉・秩父や東京・奥多摩などに出向き楽しんでいたが、家庭を持ったこともあり、足が遠のいていった。
 だが、岩登りへの思いは断ち切れず、2016年、会社を辞めて市内のJR友部駅近くでボルダリングジム「ボルテックス」を開設した。

◆元建築会社の父とクライマーの息子がタッグ

 3年ほど前、要二さんから「採掘場の跡地でクライミングができるのでは」とアドバイスされた。要二さん自身はクライミングはしないものの、国博さんが高校の山岳部に所属していた頃からの良き理解者だった。群馬や富山などで大会があるたびに、国博さんを車に乗せて現地へ同行した。「私は行った先で温泉巡りをしてましたけど」と要二さんは頭をかく。

「同じ趣味を持つ人同士が交流する場になればいい」と話す藤枝要二さん(左)と国博さんの親子=いずれも笠間市で

 採掘場跡の岩がクライミング向きだと分かると、翌19年に土地を取得し、造成に入った。木の伐採や整地、休憩室の整備などは要二さんが担当した。国博さんはインターネットで募金を求めるクラウドファンディングで開業資金を用立てた。
 現在、週末には40人ほどの愛好者が岩登りを楽しんでいる。訪れた水戸市河和田町の会社員高森利光さん(65)は「目標とするコースが攻略できると、何とも言えない爽快感がある。これまでは栃木や群馬に行っていたが、近場で楽しめるのがいい」と満足そうだ。
 今後はクライミング場をさらに広げ、上部が突き出たオーバーハングの岩場の整備などにも乗り出す予定という。「笠間には(自転車競技の)BMXの競技場もオープンした。外遊びの上手な人が増えればうれしい」と国博さん。要二さんは「高齢者のクライマーも少なくない。同じ趣味を通じてさまざまな世代の人が交流できる場になれば」と期待する。
 長沢ロックは現在、クライミングの経験者のみ受け入れ。年間利用料は一万円。問い合わせはボルテックス=電0296(71)4211=へ。

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