<新型コロナ>川崎市内でも酒類提供自粛要請 飲食店悲鳴「商売にならない」 協力金振り込みも「まだ」

2021年4月29日 07時28分

多満百合丘店の入り口には、休業を知らせる張り紙が貼られた=麻生区百合丘で

 東京都で先行して始まった酒類を提供する飲食店への休業要請に続き、川崎市をはじめとする県内のまん延防止等重点措置の対象区域でも二十八日、酒類を終日提供しないよう県から飲食店への要請が始まった。来月十一日まで続く措置に、市内の飲食店は休業したり、お酒抜きの営業を模索したり。「商売にならない」と悲鳴が上がった。 (石川修巳、安田栄治)
 「私は居酒屋ですから、お酒を出してなんぼ。なのに、提供できない。まるで私が、お客さんからお酒を取り上げるみたいになるのがつらい」。川崎市川崎区で「いざかや こころや」を営む下岸誠徳(あきのり)さん(51)は、そう語った。
 開店から今夏で十四年。タコスやカレーライスなど、ジャンルにとらわれない看板料理とともに、常連客の要望に応え、お酒の品ぞろえも工夫してきた。
 店の売上金のうち、お酒が約七割を占めるという。その穴埋めには足りないけれども、昼は弁当を販売し、午後二時からお酒抜きのメニューで営業を続けるつもりだ。「自転車操業ですよ。常連のお客さんも、たぶん来なくなっちゃうでしょうね」
 時短営業の要請にも応じてきたが、県からの協力金の振り込みが遅いため、家賃支払いを待ってもらっているという。三月半ばに申請した協力金も、まだ振り込まれていない。
 「見通しを知りたくて、コールセンターに五回くらいかけたけれども、『委託(された業者)なので答えられない』と繰り返すだけ」と下岸さん。「『つぶれてください』と言われているような感じがする。せめて協力金を早くして」
 小田急線百合ケ丘駅前の居酒屋「多満百合丘店」(麻生区)は要請期間中、休業する。経営者の松浦洋一さん(65)は「苦渋の決断だったが、居酒屋でアルコールを出せなければ商売にならない。ランチ営業もやめた」と店内をながめながら寂しそうに話した。
 コンビニやスーパーマーケットでの酒類の販売は制限されていないだけに「なんで居酒屋だけがという疑問は残る…」と悔しそう。「四十年ほど店をやってきて二週間も休むことはなかった。前向きに考え、体のケアや店内を修理する時間にします」と苦笑いを浮かべた。

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