<新型コロナ>「まん延防止」9市に酒類提供自粛 「要請小出し いつまで」 飲食店や卸売、不満や嘆き渦巻く

2021年4月29日 07時30分

休業の店が目立つ野毛地区の飲食店=いずれも横浜市中区で

 新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の対象区域が横浜、川崎、相模原、鎌倉、厚木、大和、海老名、座間、綾瀬の九市に広がった二十八日、県による区域内の飲食店への酒類提供の自粛要請が始まった。県内有数の飲み屋街・横浜市中区の野毛地区では人通りはまばら。「いいかげんにしてほしい」。飲食店の経営者らからは、行政への不満や終わりの見えないコロナ禍への嘆きが聞こえた。 (米田怜央)
 午後六時すぎ。休日前にもかかわらず、通りににぎわいはなく、飲食店の店先には、要請期間の五月十一日までの休業を知らせる張り紙が目立った。通りを歩いていた男性会社員(51)は「営業している店は人が密集していてためらわれる」と帰路に就いた。
 男性(66)が経営する焼き鳥屋には三組の客が訪れたが、いずれも酒を提供していない旨を伝えると、引き返した。「期待して仕込みをしても無駄になる」。開店から三十分で店を閉め、二十九日から休業する方針に変えた。別の男性(81)の居酒屋にも客の姿はない。「飲食店にばかり要請を小出しにして、いつまで長引かせるのか」と行政の対応を批判した。
 バー「インザスティル」は二十八日から休業した。二十七日夜、仕事を終えた森田哲也店長(48)は「酒が売れないならどうしようもない」とつぶやいた。カウンター十席の店内で、料理は一切出していない。「頭では自粛の必要性は理解できているけれど、整理がつかない」

休業前最後の営業を終え、店じまいするバー「インザスティル」の森田さん

 酒類の提供自粛要請は、卸売にも大打撃だが、県の協力金の支給対象には入っていない。
 「酒の販売が経営に直結するのに、補償の話が出てこないのはおかしい」。浜屋商店(中区)の山嵜量司社長(40)は憤る。
 業者への販売が売り上げの99%。取引先は市内を中心に百店舗以上だが、休業連絡が相次ぎ、二十八日は酒類の仕入れをやめた。ノンアルコール類の注文は増えたが「すずめの涙」という。「光が見えたと思ったら隠れることの繰り返しだ」

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