<曇りのち晴れ>20年前の願い

2021年4月29日 08時18分
 今年1月、以前勤務していた愛知県の半田支局で、2001年に21世紀を記念して製作したタイムカプセルが開封された。
 読者や同僚が納めたものの中に、妻と私がそれぞれ未来の長女(27)にあてた手紙もあった。「あれからもう20年もたったのか」と2人で感慨に浸った。
 私の便せんは1枚。誕生時に産声を上げず、お医者さんがたたいてようやく声を出したことや、「もしかしたら、お嫁に行ってしまっているのかな」などと下手な字で書いていた。
 妻の便せんは4枚もあった。長女の好きなおやつや夢中な遊びを書き、「人生を生きたいように生きてほしい」と、真剣な思いであふれていた。手紙は妻の方が内容で勝っている。自分がいかに育児にかかわっていなかったか、と思い出した。
 その長女はきょう29日に結婚する。はるか昔の予測が当たったみたいで、われながら驚く。こんな展開になるなら、あのときもっと何か書いておけばよかった。悔やんでも後の祭りなのだが。 (小松田健一、52歳)
      ◇
厚い曇り空でも雲の向こうには必ず青空がある−
そんな思いを胸に、記者が暮らしの出来事を綴(つづ)ります。

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