「ワクチン、6月末までに高齢者全員分届く」都の担当者 今後の課題は接種体制

2021年4月29日 18時48分

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける高齢者=東京都八王子市で(代表撮影)

 高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が施設入所者を中心に始まっている。大型連休明けには入所者以外の接種も本格化。各自治体に予約申し込みの電話が殺到するなど混乱がみられるが、区市町村へのワクチン配布は軌道に乗りつつある。約311万人の65歳以上人口を抱える東京都の担当者は「6月末までには、高齢者全員分のワクチンが届く予定。量については心配しないでほしい」と話す。(小倉貞俊、西川正志、片山夏子)

◆国から都へのワクチン配布量は急増

 国から都へのワクチン配布量は4月5~25日の3週間に44箱(1箱195瓶入り)にとどまっていたが、その後の2週間は536箱に急増。5月10日以降の2週間で2064箱届けられる。
 5月9日までに届く分は1瓶で5回接種するが、10日以降は注射器の変更で6回接種が可能に。これで都内の高齢者約311万人のうち、48%にあたる約149万人(約298万回)分のワクチンが確保される見通しだ。
 ワクチンの配布が進む一方で、今後は区市町村の接種体制の整備が課題となる。都の担当者は「住民用の接種施設として考えている医療機関で、医療従事者の接種が済んでおらず、高齢者接種の段階にまで移行できないケースが少なくない」と説明。都は現在、区市町村に対し、円滑に接種するための課題などを聞き取りしているといい「何が必要なのかのニーズを踏まえ、引き続き適切な支援をしていきたい」と話した。

◆不具合で予約取り消し、電話がつながらず落胆…

 東京都中野区の男性(78)はいったんは予約できたのに、わずか2時間後に取り消される事態を経験した。
 区は今月21日に75歳以上を対象に予約受け付けを始めた。男性は午前中、パソコンで予約しようとしたができなかった。午後1時ごろに娘が試みると予約が取れて、区から予約の確定メールも届いた。
 喜んだのもつかの間、午後3時ごろに区から予約無効の連絡が。区の予約受け付けシステムは午前中から不具合を起こし、午後1時の予約は復旧作業中に誤って受け付けられたものだという。男性は予約を再開した23日に取り直すことができたが「多くの人が不安を抱えているからこそ、確実な作業をしてほしい」と注文する。
 「接種開始を今か今かと待っていた」という調布市の女性(78)は予約の電話受け付けが始まった今月12日午前9時から5~10分おきに電話をかけ続けた。何度かけても受話器から聞こえるのは「回線が混雑しておりますのでしばらくお待ちください」という自動音声の案内。午後5時すぎまでかけ続けたが予約は取れなかった。
 長い自粛生活で「ようやく」という思いが強かっただけにショックは大きく「心底がっかりした。これを何回繰り返したら予約が取れるのか」と嘆いた。

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