《宮﨑香蓮の大人の社会科見学 》東京メガネ 137年続く老舗が長年大切にしてきたものとは?

2021年5月12日 12時02分

女優・宮﨑香蓮が、東京を拠点とした、歴史を重ねている企業に訪問し、自らインタビュー取材します。取材先では、「ヒットの秘訣」「受け継がれている歴史や大切にしているもの」を中心に様々な『モノ・ヒト・コト』をお聞きし、歴史について学んだり、業界ならではのお話、これからについて発信していきます。

 今回の取材先は眼鏡や補聴器の販売をする「東京メガネ」。眼鏡が大好きなわたくし、楽しみにしておりました!好きといえども歴史は知らず…調べてみると日本に眼鏡を伝えたのはイエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルだという説があります。1551年に周防(現在の山口県)の国主に献上したのが始まりだと言われています。一般の方々に広がったのはそれからまだまだ後の、明治初期ごろ。東京メガネはその頃から眼鏡の販売店として、今に続く130年以上の歴史があるとのこと。どのような想いで歴史を繋いできたのかを取材します!

時代とともに受け継がれてきた技能の信頼


 明治時代初期、眼鏡が一般的になったのは、日本の眼鏡の始祖といわれる朝倉松五郎氏が技術と道具をヨーロッパから持ち帰ったことがきっかけでした。「東京メガネ」の歴史もその頃に始まります。

アメリカから輸入してきた日本初の視力測定器。


 明治16年(1883年)、士族であった白山辰右衛門しらやまたつえもん氏の長男、白山斉明しらやまさいめい氏が日本橋人形町で、白山眼鏡店はくさんがんきょうてんとして眼鏡の販売を始めました。これが東京メガネの始まりです。創業当時から東京メガネが大切にしているのは『お客様との信頼関係』。お客様から信頼されるためには、確かな測定技能と質の高い眼鏡が必要だと言います。「眼鏡屋は、単に物を売る商売ではありません。『視力を測る・フレームとレンズを組み合わせてレンズを加工する・顔に合わせて調整する』という人の手を加えて初めて眼鏡ができます。こういったことは、お客様に信頼されていないとできないことです」と現社長の白山聡一さんからお話をいただきました。

自前の眼鏡に合わせてジャケットを着て取材に臨んだ宮﨑さん。


 創業後、お店の評判がお客様から他のお客様へ口コミで広がっていきました。まだ眼鏡店が多店舗展開することは珍しかった戦前、家族で協力しながら、昭和16年(1941年)に支店を開店します。しかし東京の深川に出店した支店は、東京大空襲で焼失。奇跡的に1店舗目は残ったものの、店主は戦火で亡くなってしまいました。この残された人形町の店舗を現社長の白山さんのお祖父様が引き継ぎ、企業として大きく発展させていきます。
 昭和24年(1949年)に、百貨店へ出店し販売経路を拡げました。百貨店への出店は小売業者にとってかなりのステータスになることで、常に質の高い商品を提供できると信用されなければ出店はできませんでした。お客様を大切に考えてきた東京メガネはその実績から、現在の西武百貨店池袋本店に店舗を出すことができました。
 また、昭和25年(1950年)にアメリカから視力測定器を日本へ初めて輸入したのも、白山さんのお祖父様です。当時の価格で100万円もしたそうで、それはもう相当な金額!しかし、お祖父様は豪快な性格だったそうで見つけた瞬間に買うことを指示したそうです。
 こうして販売網を拡げ、現在では26店舗を展開しています。日本国内だけでなく、香港、マレーシア、タイ、ベトナムにも店舗を構えています。

眼鏡業界全体で『クオリティ オブ ライフ・クオリティ オブ ビジョン』を提供できる環境を作っていきたいと話す白山聡一代表取締役社長。


 1980年代は眼鏡の質が飛躍的に進化した時代です。レンズはガラス製からプラスチック製のものが中心に。フレームにはチタンも使われるようになってきました。錆びずに軽量で、金属アレルギーの恐れもないチタンは眼鏡フレームに最適な素材ですが、加工が難しい金属です。
 眼鏡フレームを作るメーカーが集まる福井県鯖江市。ここにはチタン加工にも優れた技術を持つメーカーもあるそうで、フレーム作りで培ったその技は、他の精密機器を製造する際にも応用されているとか。
 また最近ではレンズの一部が液晶になった眼鏡(度数が変化させられるようになっている)なども登場し、まだまだ進化を続けています。東京メガネでは、よりお客様の選択肢が広がるよう、そのような最新の眼鏡にも積極的に力を入れています。

業界全体で、認定眼鏡士による質の良いサービスを


 東京メガネでは日本眼鏡技術協会認定の「認定眼鏡士がんきょうし」という資格を持ったスタッフが全店舗で働いています。この資格は、眼鏡のフィッティングや視力測定のプロフェッショナルに与えられるもの。東京メガネでは、業界全体で質の良いサービスを提供していきたいという想いから、この資格の普及にも力を入れています。技術力のあるスタッフが販売する。東京メガネは小売業なので、商品そのものではなくサービスで付加価値を高めて、お客様との信頼関係を築いているんだな、と感じました。

メガネミュージアムから知るメガネの歴史


 東京メガネの本社には「メガネミュージアム」があります。ミュージアムには、徳川慶喜が使っていたルーペなど、何百本もの所蔵品が展示されていました。展示を見ると、鼻に引っ掛けて使ったり、手に持って使ったり、時代によって眼鏡の使い方が変わっていくことが分かります。印象的だったのは時代を経るにつれて眼鏡が「ファッション性」を帯びていったこと。視力が悪いことはキリスト教で「神の試練」と捉えられており、それを矯正する眼鏡は「神に反するもの」として扱われていた時代もありました。中世から近代になるにつれ、視力矯正がとがめられなくなりました。その後、眼鏡もファッション性が高くなっていったんですね。

 日本では、眼鏡は世間一般に広まった明治時代初期から、視力矯正のためだけでなく、ファッションの一部としても受け入れられてきました。ミュージアムに展示されていた明治時代の眼鏡には、フレームに豪華な彫りが施してあるものもありました!わたしも伊達メガネをコーディネイトに取り入れることがありますが、明治時代から眼鏡はファッションアイテムだったんだ、という発見がありました。

眼鏡の歴史を時代背景と一緒に学べるメガネミュージアム。様々なアンティーク眼鏡が所蔵されています。

選んでもらうと、新しい発見が生まれる


 今回、東京メガネの認定眼鏡士の方に私に似合う眼鏡を選んでいただきました。計10本も!眼鏡を選ぶってワクワクして大好きなんです。中には自分ではなかなか手に取らない色や形のものもありましたが、かけてみると不思議としっくりくる。これこそ認定眼鏡士の方に選んでもらう醍醐味だなと思いました。自分だけで選ぶと、結局いつも似たようなデザインの眼鏡を選びがちですが、誰かにアドバイスをしてもらえると、今までかけたことのないような眼鏡にも挑戦できたりしますね!
 認定眼鏡士の方は、顔の大きさや、目鼻立ちの具合、髪色の明るさなどを考慮して選んでくださったそうです。自分で選ぶ際のポイントも教えてもらいました。まずはとにかく試着してみること。自分を客観的に見るのはなかなか難しいもの。そこで、家族や恋人などに「似合ってるね」と言われるものが一番良いそうですよ!ぜひ、皆様も参考にしてくださいね。

認定眼鏡士の方から宮﨑さんに似合う眼鏡を選んでいただきました。

わたしが選んだお気に入りのメガネ3選

《肌なじみの良い透明フレーム》


実はずーっと欲しかった透明フレームの眼鏡!今までいろんなものを試着しては、なんだか浮くなあと思っていたのですが、しっくりきた!ただの透明ではなく、ほんのり黄色味がかっていることで、肌馴染みが良くなっているそうです。これ、すごく欲しいぞ……!

《丸みのある黒フレームで柔らかいイメージ》


黒フレームはなんだか重くなってしまって、選ぶことが少なかったのですが、これはフレームの厚みがちょうど良く、丸さがあるので黒の強さが少し和らいだ雰囲気になるそう。たしかに!少し知的に見えて、気に入りました。ちなみにこちらは私の憧れブランドでちょっとドキドキしました。

《細いフレームでクラシックなイメージ》


細いフレームの眼鏡はともすると、野暮ったくなってしまってこれまた難しいなあ、と思っていたのですが、こちらはクラシックな雰囲気に!顔の大きさとマッチしているのがポイントです。

取材後記

最近では「ウェアラブルメガネ」と呼ばれるレンズの一部に液晶を入れ、その部分の屈折率を変えられようにして、見え方を調節できるものも登場しているそうです。コナンくんの眼鏡のようですね!!技術の進歩はすごいです。東京メガネではそのような情報もいち早く取り入れられるようアンテナを張っているそうです。
眼鏡をたくさんかけることができて幸せな取材でした。「眼鏡を掛けるかもなあ」と思い、知的に見えるといいなあ、なんて考えてジャケットスタイルで伺ったのでした。
東京メガネの代表取締役社長 白山聡一さん、宣伝・広報室の樋口巧さん、今泉典久さん、お忙しい中ありがとうございました。
《今回の取材先》株式会社東京メガネ

東京メガネは、創業130年以上にわたり、眼鏡の販売、補聴器の販売をしている。東京を拠点とし、日本国内、海外にも店舗を構え、全店舗に認定眼鏡士が在籍。本社には、様々なアンティーク眼鏡が展示されているミュージアムも運営する。
住所:東京都世田谷区若林1-20-11
公式ホームページ




PROFILE
宮﨑香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演するなど、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
【お知らせ】
●テレビ朝日・木曜ミステリー「遺留捜査」出演(滝沢綾子 役)
●「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2020」ジャパン部門ノミネート作品 「BENTHOS」主演(美嘉 役)
●東京2020オリンピック聖火リレー 長崎県内走行聖火ランナー

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