「前代未聞の大規模買収だ」河井克行元法相に懲役4年を求刑

2021年4月30日 22時27分

◆6月以降に判決見通し

河井克行被告

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反の罪に問われた元法相の前衆院議員、河井克行被告(58)の論告求刑公判が30日、東京地裁であり、検察側は「前代未聞の大規模買収。選挙の公正さへの信頼を失墜させた」として懲役4年、追徴金150万円を求刑した。5月18日に弁護側の最終弁論で結審し、6月以降に判決が言い渡される見通し。
 濃紺のスーツ姿で出廷した元法相は、椅子に深く腰掛け目を閉じて論告を聞き、求刑後に一礼した。妻の案里元参院議員(47)=公選法違反罪で有罪確定=の選挙を取り仕切った「総括主宰者」として起訴されており、有罪であれば通常の買収より重い4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金となる。
 検察側は論告で、自民党本部が党広島県連の反対を押し切って案里元議員を擁立し、厳しい選挙戦が予想されたと指摘。元法相が票の取りまとめのため、地元議員ら100人への現金約2900万円の配布を「首謀した」と述べた。
 当初は無罪を主張した元法相は3月の被告人質問で一転して買収を認め、その際、案里元議員による一部議員への現金配布には関与していないと主張。検察は「夫妻のどちらが誰に渡すか、元法相が検討していたことを示す名簿がある。共謀は成立する」とした。
 党本部は参院選前、夫妻の政党支部に破格の1億5000万円の資金を援助。起訴内容となった陣営スタッフへの現金の一部は、この資金が原資とされる。元法相は「政党支部職員への給与だ」とするが、論告は「選挙運動の報酬で買収に当たる」と指摘した。
 買収事件では現金を受け取った側も被買収罪に問われることがあるが、地元議員ら100人は誰も起訴されていない。うち94人が違法性を認めており、弁護側は「裏取引」を疑い公判の打ち切りを求めたが、検察は論告で「なんら証拠に基づかない主張だ」と反論した。(池田悌一)

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