イメージ戦略に失敗?「SF的悪夢だ」との反対受け…ニューヨーク市警、犬型ロボットの使用中止

2021年4月30日 11時34分
米ボストン・ダイナミクス社の犬型セキュリティー・ロボット=AP

米ボストン・ダイナミクス社の犬型セキュリティー・ロボット=AP

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米東部ニューヨーク市警は、昨年から危険な場所での任務に導入してきた犬型ロボット「デジドッグ」の使用を中止すると明らかにした。警察の過剰な取り締まりや監視に利用される懸念から「SF的悪夢だ」などと反対が強まっていた。
 米メディアによると、デジドッグは重さ32キロほどで、4本足を使って時速5キロ以上で移動し、階段も上ることができる。人工知能(AI)を搭載し、暗視カメラや通信機能も備える。2月に市内で発生した人質事件では、生身の警官の代わりに現場アパートに接近し、突入時のために周辺状況を調査した。
 だが、細長い4本足を持つ機械仕掛けの見かけに対する違和感もあり、過剰な市民監視や攻撃装置への転用による「警察の軍事化」につながるとの批判が殺到。市警は予定を短縮して4月下旬に開発元のボストン・ダイナミクス社との貸与契約を終了した。費用は9万4000ドル(約1023万円)だった。
 米国では、昨年5月の警官による黒人男性暴行死事件以来、警察予算削減を求める運動が盛り上がっており、デジドッグがあおりを受けたとの見方も多い。市警の担当者は「(名犬)ラッシーと名付けるべきだった」と述べ、イメージ戦略の失敗を嘆いた。

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