「軍事支配終わらせなければ未来ない」 ミャンマークーデター3カ月、続く民主派の抵抗

2021年5月1日 06時00分
 【バンコク=岩崎健太朗】クーデター発生から1日で3カ月となるミャンマーでは、街頭で銃撃を続ける恐怖統治で掌握を急ぐ国軍に対し、市民が不服従運動や少数民族との連帯を強め抵抗を続けている。双方が一切引く構えをみせず、事態は本格的な武力衝突に向かう恐れをはらんでいる。

30日、ミャンマー・ヤンゴンで、雨の中、国軍のクーデターに抗議する市民ら=AP

◆抗議参加していなくても命の危機

 「今回、軍事支配を終わらせなければ、私たちに未来はない」。最大都市ヤンゴンで、職務復帰を拒む公務員らに物資を支援する20代の女性は覚悟を口にする。日中の大規模弾圧は収まってみえるが、「不当逮捕が日常になった」。収容施設での激しい拷問の様子も伝わる。50代の女性は「夜、家の中で電気を消し、声を潜めて過ごしている」と話す。街頭抗議に参加していない市民も命の危機を感じている。
 人権団体によると、4月29日時点で759人が国軍に殺害され、3500人近くが拘束中だ。社会は疲弊し、物価上昇や銀行の機能停止が続いている。苦しい生活を強いられる市民の間では、「うそで塗り固められた国軍統治」への怒りが収まらない。

◆同じ市民なのに「敵対勢力」

 国軍は抵抗する市民らを、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)や外国に扇動された「一部の反逆勢力」との宣伝を強めている。同29日付の国営紙は、拘束した学生リーダーの若者を「銃や爆弾を所持し、少数民族武装勢力と連携していた」と糾弾。抵抗がやまない焦りの裏返しとみられる。地元メディアは「軍内部で兵士や家族が国軍に批判的なメディアに触れることを禁じ、『うその情報だ』と繰り返し説明するよう指示している」と伝えた。
 国軍には、治安維持や経済発展を長年担い、国政に関与してきたとの揺るぎない自負がある。市民であれ「敵対勢力」とみなす容赦ない攻撃は、「国を守る」との名目で独立以来続けてきた少数民族への弾圧の中で培われた。

30日、ミャンマー・ヤンゴンで、雨の中、国軍のクーデターに抗議する市民ら=AP

 民主派は現在、国軍を軸に、7割を占めるビルマ民族中心の統治体制を改めようと一部の少数民族と連携。国軍に対抗して樹立が宣言された「挙国一致政府」は、「不服従運動に参加する20万人の公務員に寄付金から給与を支払う」と表明した。少数民族地域では都市部出身の20代の若者が戦闘訓練を受けている。現地の政治アナリストは「多くの市民が『革命』を目指し、その時期を待っている」と指摘している。

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