100回以上かけてもつながらない「いのちの電話」 コロナ禍の今こそ必要なのに…相談員減少が深刻

2021年5月1日 10時10分

悩みを抱える人の話を聞く「千葉いのちの電話」。最近は電話を受けるブースの空きが目立つ=県内で

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、悩みを抱える人の相談に応じる「千葉いのちの電話」がつながりにくくなっている。コロナ禍が長引き、相談内容が深刻化する中、高齢者を中心とするボランティア相談員数は減少。担当者は「電話がつながらず、本当につらい人が相談をあきらめてしまうのが怖い」と話す。 (鈴木みのり)
 「百回以上かけたが、つながらない」。コロナ感染拡大以降、運営団体の社会福祉法人「千葉いのちの電話」(千葉市中央区)の事務局には、回線混雑に関する問い合わせが相次ぐ。同法人の事務局長を務める斎藤浩一さん(65)は「コロナ禍が始まってから、対応できない電話が以前より増えている」と明かす。
 同法人によると、昨年度は新型コロナの影響で、相談員の新規募集を中止。在籍する相談員は高齢者が多く、公共交通機関を利用した通勤への不安などから、今年三月時点で二割弱が活動を休止している。
 従来は毎日二十四時間対応していたが、昨年四月以降は規模を縮小。現在は午前七時半から午後六時半までの対応に。斎藤さんは「人が不安に駆られるのに時間帯は関係ない。早く深夜帯もやりたい」と話す。
 一方で、相談内容は深刻化している。新型コロナの感染拡大当初は、外出自粛といった生活様式の変化への不安を打ち明ける電話が多かったが、次第に金銭面の悩みを訴えるものが増加。斎藤さんは「コロナ禍が、身近な生活をおびやかすものになっている」と感じている。警察庁によると、昨年の自殺者数は全国で計二万一千人を超え、二〇〇九年以来の増加となった。
 千葉いのちの電話に寄せられる相談のうち、一割以上が自殺をほのめかすほど追い詰められた人からのものだという。相談員は「そばにいて聞きますよ」というメッセージを伝える。対応時間の制限はなく、二時間を超えることもある。斎藤さんは「仕事だと成果が求められるので、この仕事はボランティアでしかできない」と話す。
 千葉いのちの電話は、五月六日から本年度の相談員募集を始める。研修は一部屋に入る人数を制限するなど感染防止対策を徹底する。斎藤さんは「(電話のつながりにくさは)人手を増やすことで解消につながる。コロナで孤立する人が出ている中で、今悩みを聞かないでどうする、という思いだ」と話す。
 相談員の応募は、「千葉いのちの電話」ホームページまたは同法人事務局=電043(222)4416=で受け付ける。

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