<ヒューマンいばらき>猫好きたちの聖地に 開業5周年を迎えた「悪猫商店」オーナー・川末宏明(かわすえ・ひろあき)さん(49) 

2021年5月2日 07時24分

フック店長を抱いて取材に応じる川末宏明さん=那珂市で

 見渡す限り猫、猫、猫。猫好きにはたまらない空間だ。全国の手工芸作家による猫グッズを取りそろえる「悪猫(わるねこ)商店」(那珂市豊喰(とよばみ))が開業五周年を迎えた。「常設でこれだけ多くの作家さんの作品を集めた店は珍しいと思います」と控え目に語る。
 勤め先の会社を二〇一一年に辞め、猫のキャラクターデザインを手掛ける「猫クリエイター」として独立。各地の百貨店などで開かれる猫雑貨の即売会を営業回りするうちに同業者たちと知り合い、彼ら、彼女らの作品を一堂に集めた店をつくろうと思い定めた。
 自宅敷地で物置になっていた古い建物を改装し、オープンにこぎ着けたのは一六年四月十五日。猫の魅力は「ちょい悪」なところとの思い入れから、「悪猫商店」の看板を掲げた。
 猫の顔やシルエット、肉球をデザインしたTシャツ、コーヒーカップなど千点を超える品物がところ狭しと並ぶ。擬人化された猫たちが、ひたちなか海浜鉄道湊線など県内の風景に溶け込んだ絵はがきも人気。自身も含め、四十人以上の作家がそれぞれの「猫愛」を込めたものだ。
 「作家さんは自分の身近な猫をモデルにするので、人懐っこい猫とか、不機嫌な猫とか、グータラな猫とか、個性が出ますよね」
 「店長」は黒猫のフック(オス、推定六〜七歳)が務める。近所のコンビニにすみ着いていた野良猫だったが、店を始めて一年ほどたったころ、車にひかれそうになっていたのを見かねて店長にスカウト。名前は折れ曲がった「かぎしっぽ」にちなんで付けた。
 基本的に店頭販売のみのため、東京や関西からはるばる訪れる客も多い。フック店長目当てのファンも来るが、就任当初こそ愛きょうを振りまいていた店長は、すっかり横着になって昼寝ばかりしている。今は新型コロナウイルス対策で「自宅待機中」。「猫はマスクをしてくれないので…」。猫に小判ならぬ「猫にマスク」のようだ。
 元々は「犬派」だった。宗旨変えしたのは十五年ほど前、旅行先の山中で拾った子猫を飼い始めたのがきっかけ。病気で左目を失ったが、元気に天寿を全うした。店のマスコットキャラクターで、ドクロマークの眼帯を着けた隻眼の「海賊猫」は、この猫がモデルになっている。
 今後はどんな店を目指すかを尋ねると、「取り扱う作家さんをもっと増やしていきたい。猫好きたちの聖地のようになればいいですね」とほほ笑んだ。
 フック店長にも同じ質問をぶつけたが、眠そうに「にゃー」と言って逃げてしまった。 (宮尾幹成)
     ◇
 悪猫商店の営業時間は午前十一時半〜午後六時半。月・火曜定休(祝日は営業)。問い合わせは同店=電070(2814)8532=へ。

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