ワクチン接種が普及したアメリカに戻ってきた日常の風景 感染再拡大への懸念も

2021年5月5日 06時00分

3日、米ニューヨーク市のバーでビールを楽しむ人たち=ロイター

 【ワシントン=吉田通夫】全米各地ではワクチン接種の普及に伴い、新型コロナウイルスの感染防止で大幅に制限されてきた日常生活が戻りつつある。ただ、経済活動の再開前倒しなどが発表される一方で、接種しない層も根強く残る中での規制緩和に、感染再拡大への懸念もくすぶる。

 ◆地下鉄24時間運行を再開、飲食店の人数制限を撤廃

 ニューヨーク州のクオモ知事は3日、地下鉄の24時間運行を17日から再開し、19日には飲食店などの収容人数の規制を原則撤廃すると発表。デブラシオ市長が掲げた7月1日の経済活動再開という目標を事実上、前倒しした。
 首都ワシントンは4月27日から博物館など屋内施設の収容者数の上限を緩和。屋内会食の人数も従来の最大6人から10人に引き上げた。西部ネバダ州ラスベガスのカジノは5月1日から入場者数を収容上限の80%へと30ポイント増やした。
 また米国の航空便利用者数は、新型コロナウイルスの影響が本格化した昨年3月中旬以降で最大になったことが3日、分かった。

 ◆接種すれば屋外でのマスク着用不要

 米運輸保安庁(TSA)のまとめでは、米国内の空港の保安検査所を通過した人は直近の2日時点で162万7000人。160万人を超えたのは、世界保健機関(WHO)がコロナのパンデミック(世界的大流行)を宣言した翌日の昨年3月12日以来だった。
 公衆衛生政策を担う米疾病対策センター(CDC)は接種者の行動指針を順次緩和しており、4月2日からは事前検査なしの国内旅行を認め、航空便の利用者は徐々に増えている。
 ほかにもCDCは、接種者は屋外でのマスク着用は原則不要とし、屋内での行動もマスクをすれば感染リスクは低いとしている。米国では18歳以上の4割超が接種を終えて感染者数が減少傾向に転じたこともあり、各地で感染防止のための規制を緩和し始めた。

 ◆ワクチン接種減少に転じ、大統領「いますぐ接種を」

 一方、ワクチンに懐疑的な国民も多く、1日当たりの接種回数(7日移動平均)は4月11日の326万回をピークに減少に転じ、同28日は230万回にとどまった。規制緩和による感染再拡大の懸念もあり、バイデン大統領は5月3日、東部バージニア州の演説で「いますぐワクチンを接種してほしい」と呼び掛けた。

PR情報

国際の新着

記事一覧