表情見えないマスク生活、子どもの脳や心にどう影響する?

2021年5月5日 06時00分
 だれもが日常的にマスクをして表情が見えづらいことが、子どもの脳や心にどう影響するのか。国会では、こうしたテーマの研究や、表情が見える透明素材のマスク配布を求める声が上がっている。

◆表情よく見えず、「ごめんね」も聞き取れず…

 「周りの大人の表情がマスクで見えず、心や脳の発達に深刻な影響があるのではないか」。1月の参院予算委員会で、国民民主党の参院議員の伊藤孝恵さんが意見を話した。
 伊藤さんの長女は小学生。学校では、マスクを外した先生の顔をよく見たことがないという友達がいたり、子ども同士がぶつかったとき、マスクをしているために「ごめんね」が聞き取れずけんかになったりするという。

◆フランス政府は透明マスクを配布

マスクが子どもの発育に与える影響の研究や透明マスクなどの配布を政府に求める伊藤孝恵さん=東京・永田町の参院議員会館で

 フランスでは政府が昨年9月から、透明マスク約80万枚を保育園や学校などに配った。伊藤さんはことし3月の参院予算委で実物を見せて活用を提案。田村憲久厚生労働相は「一つの方法だと思う。研究させていただきたい」と応じた。
 京都大大学院の明和みょうわ政子教授(発達科学)によると、就学前の子どもの脳は、目から入った情報の処理にかかわる「視覚野しかくや」と、耳からの情報を処理する「聴覚野ちょうかくや」が、特に環境の影響を受けやすい。マスクをした相手の目を見るだけでは、いろいろな表情を理解する力が育ちにくい。話している人の口の動きと、耳から聞こえる声を結び付け、まねしながら言葉を覚える機会も得られない。

◆表情少なく、言葉遅く… 体に触れ、豊かな表情で会話を

 学校の先生らからは、コロナが広がる前と比べて「子どもたちの表情が少なくなった」「言葉を覚えるのがゆっくりになった」という声も聞かれるという。
 明和さんは「家庭では、ハグなど子どもの体に触れる機会を増やす、豊かな表情で会話するなどを意識してほしい」と話している。(坂田奈央)

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