<こどもの日>対話重ね、学校より良く 筑波大付坂戸高 生徒と教員で校則見直し

2021年5月5日 07時45分

第1回振り返りで新校則についての思いを語る生徒たち。服装や髪の色もさまざまだ=筑波大付属坂戸高校で

 筑波大付属坂戸高校(坂戸市)は4月から、服装などについて細かな校則の規定を廃止し、「学校生活にふさわしい服装と容姿を生徒自身で判断する」と自主性を尊重する新たなルールに転換した。発端は、規定に疑問を持った生徒の声だった。今後も生徒同士や教員との対話を重ね、よりよい学校生活を模索していく。 (杉原雄介)
 始まりは二〇一九年五月の生徒総会。複数の出席者から、服装や身だしなみに関する校則の見直しを求める意見が出た。当時の校則では制服での登校が義務付けられ、化粧や髪染め、ピアスは禁止。靴下の色も白か紺に限られていた。
 生徒指導担当の中台昇一教諭(57)を中心に教員間で話し合うと、「なぜピアスがだめか、きちんと説明できる先生はいなかった」。誰もが納得できる校則になるよう、生徒と教員が共同して見直すことにした。
 主に生徒会のメンバーと中台教諭が議論を重ね、入学式や卒業式など特定の日以外は私服登校できるようにした。コスプレや過度な露出などを除き、服装や身だしなみの禁止事項も撤廃。問題が起きていないか、生徒と教員が定期的に振り返る機会も設けることにした。
 見直しに踏み切った背景には、理不尽な決まりが「ブラック校則」として社会問題になっていることもある。中台教諭は「社会に出たら自主的に考える力が求められる。保守的な校則が残る日本の教育界に風穴を開けたい思いもあった」と話す。四月以降、生徒の服装は制服と私服がほぼ半々。髪を赤く染めるなど個性が際立つ生徒もいるが、特にトラブルはないという。
 二十八日に最初の振り返りがあり、生徒会や各クラスの代表ら約四十人が出席。「自分に合う私服を選び、個性を楽しむいい雰囲気ができた」と歓迎の一方、「何でもありのイメージが付くと、外部から『不良学校になった』と思われるのでは」と懸念も上がった。中台教諭は、教員側の意見として「制服は学校のアイデンティティーなので、着崩すのはやめてほしい」と伝えた。
 新しい校則づくりに携わった生徒会長の塩川遥香さん(三年)は「今のところいい方向に個性が出て、みんな授業にも積極的に取り組むようになった。先生から信頼されていると感じられるから、しっかりしなきゃと思える」と自分たちの成長に誇らしげだ。
 生徒からは校則に基準を求める声や、生徒会任せの雰囲気もあるといい「『自由』に慣れるには、まだ時間がかかりそう」と塩川さん。「みんなが自主的に考えられるよう、学年を問わず意見を言い合える環境をつくっていきたい」と力を込めた。

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