熊谷知事就任1カ月 コロナ対策で存在感 補佐役を県幹部出身で固める

2021年5月10日 07時15分

春の全国交通安全運動の出動式に出席する熊谷俊人知事(中)=4月6日、県庁前で

 熊谷俊人千葉県知事が四月五日に就任してから一カ月が過ぎた。四十三歳の若きリーダーは、直面する新型コロナウイルス対策で存在感を示しつつ、手堅いスタートを切ったとの見方が多い。熊谷カラーの本領発揮はこれからとみられる。 (中谷秀樹)

■調整力

 熊谷知事は四月二十二日の定例会見で、就任から二週間が過ぎた思いを「本当に何だか(知事を)一カ月やっているような感じ。コロナ対応でステージがどんどん変わっていく」と語った。
 同日に開かれた神奈川、埼玉、千葉の三県知事によるテレビ会議で、熊谷知事は絶妙な立ち回りを見せた。東京都の緊急事態宣言発令に呼応し、まん延防止等重点措置の範囲で酒類提供の終日自粛を要請できるよう求める要望書を三県で政府に提出したが、この内容を取りまとめたのは熊谷知事だった。
 ある県職員は「考え方が近い埼玉の大野知事とともに、進行役を務める神奈川の黒岩知事を立てながら会議を事実上仕切った。よその提案に従っていた今までの千葉県ではなかったことだ」と感心した。同二十八日の一都三県知事会議でも、他の知事から大型連休中の人流抑制を強化する意見が続く中、「(住民の)分断につながらないように」と発言し、バランス感覚を示した。

■守備的布陣

 補佐役として副知事に穴沢幸男氏(60)、知事特別秘書に吉田雅一氏(65)、また教育長に冨塚昌子氏(59)を選んだ。三氏とも県幹部出身で県議会最大会派の自民党と良好な関係を築いており、ある県幹部職員は「超守備的布陣。議会や県庁組織に気を配ったのでは」と評した。
 野党系県議は、県庁職員として穴沢氏の先輩である吉田氏を、知事特別秘書に起用した人事に注目する。森田健作前知事時代は高橋渡前副知事が「影の知事」と呼ばれ、県政運営で大きな権限を持っていたが、「熊谷さんは、副知事の影響力が強かった今までの体制をぶった切った印象がある」と分析する。

■対「自民」

 熊谷県政について、知事選で熊谷知事を支持した立憲民主党県連の矢崎堅太郎県議は「コロナ対応の決断も評価できる。県民の期待に応えた滑り出しだったのではないか」と評価する。
 一方、知事選で大敗した自民党はベテラン県議を中心に抵抗感が残る。自民県議団が四月下旬にコロナ対策の申し入れ書を知事に渡した際、まん延防止等重点措置の適用区域から千葉市などを外した根拠(その後、千葉市は適用区域に加えられた)や、飲食店に対する休業要請の協力金支給の遅れについて「(県民への)丁寧な説明が大事」と注文を忘れなかった。新知事の意向を踏まえた補正予算を審議する県議会六月定例会で、本格的な論議が始まりそうだ。
 三人の子どもを育てた千葉市の女性(53)は「千葉市長時代は教育に力を入れていた印象がある。コロナ以外でどんな施策を示すのか興味がある」と語り、これから示されるであろう知事としての独自色に期待を寄せた。

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